「趣味は?」と聞かれると困る
こんにちは。OGUROBBYです。
突然ですが、皆さんはされると困る類の質問って、ないですか?
サラリーマン時代は、「好きな女性のタイプを芸能人で例えると?」というヤツに困りました。大体、この手の質問がくるのはお酒の席。
10代、20代の頃なら兎も角、30代になってそんな質問されてもねぇ。
「特にない」と答えたら、場もしらけるだろうし。
最初は太古の記憶を探って答えてました。
「広末涼子」
お酒の席では、ある種の「わかりやすさ」って必要だと思うんです。
どの世代の方でもわかるような。
僕の苦し紛れの答えも虚しく、大抵その場は何事もなかったように過ぎていったわけですが。(笑)
「可もなく、不可もなく」のラインを狙っていたので、この反応は想定内。
ただ、それをやってしまうと、帰宅後に嫁から批難を浴びることに。
(これは想定外)
「また『広末』って答えたの?
女性陣から冷ややかな目で見られちゃうかもよ!」
そんな嫁に聞いた模範解答は、「宮崎あおい」だそうです。
(他にもあったけど、忘れました。)
何と言うか、いざとなると出てこないんですよね。
模範解答。
イザという時に台詞を忘れる。。。
僕は俳優にはなれそうにありません。(笑)
目次
1.「趣味は?」と聞かれると困る
2.素晴らしい生き物たちの世界
1.「趣味は?」と聞かれると困る
冒頭の話の続き、というわけではないのですが、
最近は、「趣味は?」という質問が苦手になりつつあります。
昔は、読書とか散歩と答えてました。
大概は休日はそんな過ごし方をしてましたから。
愛知でも東京でも、休日はお気に入りの喫茶店やカフェで、本やら雑誌やら新聞やら、読んでいました。
店主からすれば、迷惑な客ですよ。(苦笑)
散歩も、特に東京はちょっと歩けばどこかの駅にぶち当たりますからね。
気まぐれに歩いて、疲れたら電車に乗って帰る。
その過程で、面白い店だったり、「あっ、この道に出てくるんだ!」という偶然性を楽しんでいたんだろうなぁ。
ところが、です。
最近は、「趣味は?」と聞かれても、答えがすんなり出てきません。
今でも、本や散歩は嫌いではないのですが。。。
本を開くことのできる時間が、まず持てなくなってきました。
風呂に入って、横になる。
読書に割ける時間があるとしたらそこなのですが、横になった瞬間に眠りに落ちてしまいます。この間なんて、2行です。たった2行。
もはや、読んだかどうかも疑わしいレベル。(笑)
散歩も、わざわざはしていません。
移住前に比べて、運動量も格段に上がりました。
車の運転、食事やお風呂等を除いては、立っている(もしくは歩くか作業している)時間がほとんど。
「田舎暮らしの方が、むしろ忙しいよ」
東京に居る時、こんなアドバイスをしてくれた方がいました。
本当ににその通り。
でも楽しいですよ。
ちびまる子ちゃん症候群とも無縁。
正に、人生のボーナスタイムです。
2.素晴らしい生き物たちの世界
そんな僕が、最近休日で最も時間を費やしている場所。
田んぼです。
休日に限らず、平日も1日に2-3回は見に行ってます。
う~ん。
今回は、田んぼから離れようとこのタイトルにしたんだけど。
やっぱ、駄目だった。(笑)
子供の頃も、近所の田んぼでは色んな生き物を捕まえてました。
ヤゴだったり、ザリガニだったり。
イナゴだったり、カマキリだったり。
30年前は、埼玉県草加市でもそういう生き物は普通にいました。
ただ、今住んでいる島根県吉賀町は、普通に見かける生き物のレベルが桁違い。
作業中だったので、咄嗟の写真が撮れなかったのが残念なのですが。
例えば、こんなのがいます。
引用元: Hondaホームページ
真上から見ると、亀の甲羅みたいに見えるんですよ。
体長は2cmほど。
「コイツ、タガメじゃないか?」
直感で思いました。
でもって、漢字で書いたら「田亀」に違いない!
自信満々で人に聞くと、「そいつはコオイムシ」だよ。
ちなみに漢字で書くと、「子負虫」だそうです。
オスが、文字通り子供(卵)を背負って、孵化するまで世話をするそうです。
そんな昆虫、知らなかった。
そしてイモリなんていうのも、全然珍しくない。
この辺りでよく見るイモリは引っくり返すと、お腹の部分が赤い「アカハライモリ」という種類です。
前述のコオイムシ、アカハライモリ、いずれも環境省レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
そんな生き物が、普通に棲んでいる吉賀町の自然。
改めて半端ない。(笑)
そうそう、田んぼには色んな生き物がいます。
マムシ(この地方では「ハミ」と呼びます)にも遭遇しました。
幸い、一緒にいた知人が捕まえてくれました。
なんでも、瓶に入れて町内のある場所に持っていくと、1,000円で買い取ってくれるとか。
マムシ以外のヘビは、大分見慣れました。
マムシ以外のヘビは、人間の姿を見ると逃げていくので、そんなに危なくはないようです。掴めるか?と言われたら、別問題ですが。(笑)
そして、この手!
昨夜の僕の手です。
一昨日の夕方、田んぼでブト(ブヨ、ブユとも言う)に手の甲を刺されました。
兎に角、痒いのと腫れるのと…。
せいぜいコバエ位の大きさなのですが、なかなか厄介です。
ようやく腫れが引いてきましたが、今朝は手の甲パンパン過ぎて、腕時計がはめられなかった程。
よく、実物より写真の方が太って見えると言いますが、腫れもそうだなぁ。
腕時計は、なくてもそんなに困らない生活なんですけどね。(笑)
田んぼのはなし
こんにちは。OGUROBBYです。
まずは、とても私的な話を1つ。
先日、ジーパンのボタンを外さずに脱ぐことに成功しました。
別にこれまでもチャレンジを継続してきたわけではありませんが、「ある日突然」という類のやつです。
脱皮。取りあえず、そう呼ぶことにしましょう。
毎日の筋肉痛は、無駄ではないようです。
これからも繰り返す(?)であろう脱皮の末に、僕はどこに向かうのか。(笑)
目次
1.田植えの季節
2.水管理こそが肝だった
1.田植えの季節
今年も、5月が「あっ」と言う間に過ぎようとしています。
書きたいことは沢山あるのですが、なかなか追いつきません。(泣)
昨年までも、「あっ」と言う間に時が経つのは同じなのですが、、、
大きな仕事の締め日前は、プレッシャーからか、特に時間が経つのが早かったですね。
「ああ、あと〇日しかない!」みたいな思いは、しょっちゅう。
同じ「あっ」と言うまでも、今年はかなり色合いが違う。
先々週なんて、なかなかに特徴的な日々。
5/20(土) 田植え
5/21(日) 田植え
5/22(月) 田植え
5/23(火) 田植え
なんと4日連続の田植え。
まさに田植えの季節、ここに極まれり。
バリエーションも、様々です。
田植えを手伝って頂いたので、お返しで手伝いに行ったもの。
産業体験で、体験させて頂いたもの。
家の近所で、「やってみない?」と急遽始めたもの!
そう、新たに始めたのです。
広さにして4a。
戦線拡大が危ぶまれる中、始めてしまいました。
プロの方からすると、「どーん」という広さでもないのですが、僕にとっては「どーん!」です。
どーん!!
田植え機まで乗らせて頂いて。
段取りも合わせて、2時間ちょいで終了。
機械は早い!
(言うまでもなく、プロの農家さんからすると全然遅いです。)
そして。曲がりなりにも苗を植えた田んぼ。
これが、可愛いんだ。不細工なのがまた良い。
何というか、1時間でも見てられます。多分。
ボーっと見ていると、虫に刺される季節にもなってきたのですが。(笑)
2.水管理こそが肝だった
というわけで、今年は2枚の田んぼに関われることになりました。
1枚は、移住者5世帯で管理させて頂いている田んぼ。
14a。品種はコシヒカリ。
もう1枚は、先に書いた近所の4aの田んぼ。
こちらは品種はミルキークイーンです。
きっと、色んな経験、学びをもたらしてくれることでしょう。
さてさて、田植えを終えてホッと一息つく前に学んだこと。
それは、「米作りの肝は、水管理である」ということ。
これ、色んな人から聞きました。
要は、こういうことのようです。
①雑草を抑えるためには、田んぼを干上がらせない。
②苗の成長を促すために、水温は極力上げる。
「田んぼを干上がらせない」なんて当たり前だ。
そう思うでしょ?
それが簡単じゃないんですよ。
上の写真の真ん中右寄り辺りに、島みたいに水上に出ている部分がありますよね。
わかります?
水面に映る、山と空の境界線のところ。
そこ、既に干上がってます。
発芽の三条件。小学校の時に理科で習いましたよね。
水、温度、空気。
つまり、水を被っていない所は、空気がふんだんにあるので、雑草のタネが発芽してしまうのです。
除草剤を使わないのであれば、草は何らかの方法で自力で取るしかない。
とは言え、無駄な闘いはしたくない。
干上がる部分を極力少なくすることが、重要なのです。
なぜ「干上がる」なんて事が起きるのか。
僕も、今年田んぼをやって初めて気づいたのですが、田んぼって平ら(水平)じゃないんです。
山谷がある。山の部分は、水面から出てしまうのです。
まっ平らに整地する。これって凄い技術なんですね~。
じゃあ、水をジャブジャブ入れればいいじゃないか!
その通りなんです。
でも、ただ水さえ入れていれば良いわけでもない。
稲はもともと熱帯、亜熱帯の植物ですからね。
温かいほうが、生育が良いのです。
温かいほうが、根も苗も成長する。
根が強くなれば、病気にも強くなる。
そして、温かいほうが稲の分げつも進み、収量が増えます。
分げつ、というのは稲の株分かれ。
乱暴な言い方をすると、稲穂が増えれば、取れるコメの量が変わりますよね。
だから、セオリーは「夜水を入れて、朝水を止める」。
太陽エネルギーをフル活用するわけです。
昼間、田んぼの水に指を突っ込んでみると、結構いい湯だったりします。(笑)
この温かさを、稲の生育に活用していきます。
ただ、温かければ水は蒸発する。(減少する)
蒸発だけでなく、稲の蒸散作用で減る分もある。
水は空気中に逃げるだけでなく、水漏れで流れてしまう分もある。
冗談抜きにモグラが掘った穴などから、水が漏れてしまうことはよくあるのです。
セオリーはわかった。
蒸発も、蒸散も、水漏れも、全て見越して夜中に水を入れればいいじゃん!
そう思うでしょう。
でも、水管理は難しいんです。
「我田引水」という言葉が、古くからあるじゃないですか。
自分の田んぼの取水口を全開にしていても、上流でたくさん水を使っていれば、当然回って来る量が減ります。
また、上流で草刈りをやっていたりすると、田んぼの取水口に草が詰まっていて、全然水が溜まっていなかったり…ということもザラです。
逆に、上流の田んぼで水を全く取り込まない時に、田んぼの取水口を全開にしておくと、物凄い水量が押し寄せてきて、大変な事になります。
最悪、稲が流れちゃったり。
用水路の水量が一定なら、もっと簡単なんだろうけど。
そこは変数だらけ。
用水路は川から水引いているのですが、川の水量自体が天気にも左右されますし。
セオリーは、至ってシンプル。
だけど結果的に、セオリーとは真逆の事をやっていたりする。(笑)
昼水を入れて、夜止める、みたいな。
水管理が肝、というのも分かる気がします。
まあこれも、「家に帰るまでが遠足です」方式、ですかね。
収穫して、胃袋に入れるまで、安心はできないのかも。(笑)
色んなことを試行錯誤しながらやるのは、何とも言えない楽しさもあるんですけどね!
農家見習いになる
こんにちは。OGUROBBYです。
先日、お風呂場でムカデと遭遇しました。
梅雨入り前の今頃から、出てくるみたいですね~。
いつか出会うと思ってましたが、まさか入浴中とは。
初対面から、いきなり裸の付合いになってしまったわけです。
小学校の運動会とかで「ムカデ競争」なる微笑ましい種目もあった気がしますが、そんな生優しい雰囲気は皆無。
「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」と言ったのは誰だったか。(笑)
知人からのアドバイスに従い、-85℃で瞬間冷凍するスプレーを買っていたので、早速噴射!ムカデを凍らせ、無事ペットボトルに収納。
ところがどっこい。
ギョッとしたのはここからでした。
なんと常温に戻ったら、凍っていたはずのムカデが動き出すではないですか!
おいおい、ターミネーターかよ。
幸い、ムカデに刺されず切り抜けることが出来ました。
そのうち刺されるのかなぁ…。
だけど、天井からポトリ、だけは嫌だ。(笑)
目次
1.産業体験とは
2.農家見習いになる
1.産業体験とは
実は、今月から農家見習い、はじめてます。
もう少し詳しく説明しましょう。
島根県の制度である「産業体験」を使って、農業の勉強をさせて頂いています。
産業体験を簡単に説明すると、自ら選んだ特定の受入れ先の下で、一定期間(3カ月~最長1年間)、県の補助金を頂きながら体験ができるというもの。
産業体験の制度の詳細は、島根県のHPを参照下さい。
しまねのUIターン産業体験 | くらしまねっと・ジョブカフェしまね
制度の対象は、農業、林業、漁業、伝統工芸。
後継者不足に悩んでいる産業が対象になります。
補助金(12万円/月)は、労働の対価としてもらうのではありません。
島根県での担い手育成のため、産業体験中の経費の一部を県に助成して頂く、ということになります。
島根県への定住が大前提なわけですが、産業体験後に別の道に進んだとしても、体験を助成頂いたお金は、返さなくてもOKという、何とも太っ腹な制度なのです。
僕自身、半農半Xを志して田舎に移住しました。
初めは産業体験を考えてはいなかったのですが、これまでに比べて農がうんと身近になり、農業の奥深さを感じるにつれ、一度本格的に勉強してみたいと思うようになりました。
産業体験を始められるのは、移住後1年までということも背中を押してくれました。
うーん、何だかどっかの会社のエントリーシートみたいになってきましたね。(笑)
2.農家見習いになる
そして、僕が選んだのはタイトルにもある通り、農業。
自分たちの食べるものを自分たちで作る。
これが原点にあるのは間違いないのだけど、こちらに来て食べたコメ、野菜が美味しすぎて。
コメについては、色んな農家さんから分けて頂く機会がありましたが、どれも味に個性がある。そして言うまでもなく、美味しい。
勿論品種の違いもありますが、町内と言えど稲作環境の違い(天候、標高etc.)が影響しているとも聞きます。
こんなコメを、自分でも作れたらなぁ。
僕が弟子入りしたのは、町内でもベテランの有機農家さんです。
弟子入りを決める前に、一度お会いさせて頂きましたが、20年以上の有機農業経験を持ち、農家としてきちんと自立できているのに、今なお、お金を払って土作りの勉強をされている。軽く感動すら覚えました。
普通、これ位の経験と実績があれば、一段高いところに上って、守りに入ってもおかしくないと思うのですけどね。
実際、産業体験に入って3週間が経ちました。
毎日、色んな所が筋肉痛になり、いつの筋肉痛かも分からないのですが。(笑)
ただ、貴重な体験をさせて頂いています。
段取りがいかに大切か。
書物や座学だけでは学べない事。
充実した毎日を過ごしているのは確かです。
今の悩みは、半農半Xでなく、全農になってしまうかもしれないこと、ですかね!?
ただ、こういうチャレンジができているのは、受入れて頂いた師匠でもある農家さん、税金を財源とする助成金、外で働いて現金収入を得てくれる嫁のおかげでもあるのは間違いない。
感謝の気持ちを忘れず、精進していくことにします。
はじめての田植え! ~Road to my rice~
こんにちは。OGUROBBYです。
「河童の川流れ」という諺があります。
河童は残念ながら見た事がないのですが、先日、「蛙の川流れ」なる現場を目撃しました。いや、正確には「蛙の用水路流れ」かな。(笑)
どんなに上手であっても、失敗くらいありますもんね。
でも蛙ちゃん、自力で用水路のへりにしがみついていました。
腐っても鯛、ですかね。流石です。
目次
1.はじめてのコメ作り
2.田植え!
1.はじめてのコメ作り
さて、突然ですが、今年は米を作ります。
いや、作れるかどうかは、まだ分かりません!
無農薬、無化学肥料。
勿論、はじめての経験です。
「自分たちが食べるものくらい、自分たちで作りたい」
それが、僕たちが移住を決断した原点でした。
その原点からすると、いずれ作るだろうなぁ…とは考えていましたが、こんなにも早く機会を頂けるとは。
移住者5世帯で、14aの田んぼに挑戦する機会を頂くことになったのです。
14aと言われても、ピンと来ませんよね?
1400平方メートル。
もっと分からなくなりますかね?
「東京ドーム〇個分」という言い方が、商業的には分かりやすいのかもしれませんが、出来なくてスミマセン。(笑)
さて、始まってみると、あれよあれよと言う間に、植物は成長していくもんです。
4月頭に種籾の種子消毒から始まった1粒1粒のお米が、はい、この通り!
今、大分端折りました。(笑)
振り返ってみると、
思ったよりあっさり、この状態になっていた気もするし、
何が良くて、何が悪かったのかもわからない。
この状態が良いのか、悪いのかどうかも分からない。
すべては経験なんだろうなぁ。
経験を積み重ねていくことで、良し悪しの判断もついてくるだろうし。
まずは今年の経験が、今後のベースになるということ。
2.田植え!
繰り返しますが、大分話を端折っています。
直接関われなかったところもあったりしますので。
今回驚いたのは、「田植え」をハレの舞台とするならば、そこまでの用意は実に周到に整えられるということ。
一方で、田んぼの水量の調整は、結構原始的なやり方だったりします。
上の写真で、右下から中央上部に流れていくのが用水路。
(冒頭の話で、蛙が落ちた用水路です。)
そこから、自分の田に水を引いています。
支流の入り口には、板を切って作った蓋。
この蓋の開け具合で、水量を調整しています。
なんだ、簡単じゃないか。一度環境さえ作ってしまえば。
甘い、甘い。
奢れるものは久しからず。
去年お米を作れた田んぼでも、冬の間にモグラが穴を掘ってしまって、田んぼから水が漏れる…というトラブルもあるようです。
「初心忘れるべからず」で続けていかないと。
それにしても、まさかモグラがこんなに身近な生き物になるとは。(笑)
そして、田植え当日。
僕らは、今回手で植える方法を選択しました。
手で植える場合も、いろんなやり方はあるようですけどね。
はじめに線を引きました。
見えるでしょうか???
田んぼの表面に、碁盤目状に線を引いてあるのが。
これは人力で引きました。
野球部が引くようなトンボ。
トンボの先端が、熊手のようになっている道具を使います。
線と線の間隔は30cm。
田んぼの縦にも、横にも、30cm間隔で線が引かれているのをイメージして下さい。
(この30cmというのがミソのようです。それはまだ先の話のようですが…)
上の写真では、全体的に水がないように見えますが、それは田植えに向けて水を抜いていたから。
平らなようで、平らでない。
その証拠に、水が溜まっているところと、溜まっていないところがくっきり分かれてしまいました。
当然、水があるところは、線がつきにくい。
田んぼの中はとても歩きにくいので、線を踏まないように歩くだけでも一苦労。
なかなか骨の折れる作業でした。
そして、念願の田植え。
あーあ、肝心なところの画がなくてスミマセン。
泥まみれで、カメラを構える余裕がありませんでした。
イメージ付きやすい(?)かは分かりませんが、下の写真のように、苗箱から苗をブロックに分けたものを片手に、田んぼに入ります。
実際手に持つブロックは、もっと大きいですよ。
苗のブロックを片手に、先程田んぼの地面に描かれた碁盤目状の線の交点に、苗を約3本ずつ、より分けて植えていきます。
例えば、手の届く範囲で、目の前の横に4点、苗を植えたとします。
次の1歩でまた4点。
その繰り返しのイメージです。
流石にこれでは効率が悪いので、歩く時の足の位置だとか、少しずつ自分なりに工夫もしてみました。
でも、なかなか思うようにはいかなかったりします。
交点のところに誰かの足跡が陥没していたり。
ぬかるみに足を取られて、不時着したところに苗が植わっていたり。
ただ、なんだかとっても穏やかな気持ちになりましたね~。
天気にも恵まれたし。
参加者みんな黙々と植え続けるのですが、集中しているのが心地良いといいますか。
合計7人でやったこともあり、2日間かかるかと思われていた田植えも、1日で終えることができました。
ただ、経験者によれば、まだまだ道は全体の2割程度しか進めていないそうです。
さて、どうなることやら。
「山の恵み」って、こういうことだったのか。
こんにちは。OGUROBBYです。
早いもので、引越ししてから既に3週間目に突入。
まさに「あっ」と言う間に時が過ぎてしまっています。
5月に入って、生活のリズムが少し変わりました。
平日は外に出るようになり、余計に時の流れを早く感じるようになったのかもしれませんね。ま、この話はおいおいやろうと思います。
目次
1.豊かさってなんだろう
2.ありふれた食材、でも当たり前ではない食材。
1.豊かさってなんだろう
このブログで再三書いているかもしれないけど、僕たちが初めて吉賀町に来たのが、丁度1年前。去年のゴールデンウィークに来た下見旅行でした。
そして、はじめて野草の天ぷらを食べたのも、そのときでした。
「では、夕飯の収穫に行きましょうか。」
初日に泊まった宿。
その日の予定を消化して、宿に到着してくつろぎ始めて間もなく、そんな声が掛かりました。
ついて行ってみると、収穫するものは、まさに草。
ユキノシタ、カラスノエンドウ、藤の花、etc...
全て宿泊先の庭で収穫。
10種類位あったかなぁ。。。
初めて聞く名前のものから、「え!?それ食べれる草だったの?」というものまで。
天ぷらの他にも、鮎だったり、色んな料理を出して頂きました。
どれも美味しかったのですが、あの下見で、一番印象に残っているのが、野草の天ぷらでした。
野草。
言い方を変えれば、放っておいても庭に生えてくる雑草。
でも、それがおもてなし料理に化けてしまう。
もてなされる方としても、本当に貴重な体験でした。
しかも普通に、いや普通以上に美味しかった。
カラスノエンドウなんて、普通に東京でも生えているんですよね。
東京に戻って、光が丘公園のカラスノエンドウに何度目が留まったことか。(笑)
食指がピクリとも動きませんでしたけど。
2.ありふれた食材、でも当たり前ではない食材
そして吉賀町に引っ越して、冬が過ぎ、春が巡ってきました。
植物も、虫も、鳥も、ヘビも、蛙も、人間すらも活動的になってきました。
植物で言えば、草が生え、木々は新芽をつけていきます。
そんな山の恵みを、天ぷらにして頂いてみました。
まずこれ。
柿の新芽なんです。
写真の中央部あたり。枝がまだ緑色の部分、わかるでしょうか?
緑色の部分は、まだ枝になる前の新芽。柔らかいのです。
この部分を摘み取ります。
そして、これ。
山椒です。
鰻にかける粉は、この山椒の実を轢いたものです。
これまた、枝の先端の柔らかい部分を選んで摘み取ります。
そして、これ。
タラの芽です。(タラの木の新芽)
僕は、今回こちらに越してきて、はじめてタラの芽なるものを見ました。
タラの木って、物凄くトゲトゲしていて、化学繊維のウィンドブレーカーなんかだと、すぐに引っ掛って穴が開きそうです。
新芽にもやはり棘があるのですが、まだ柔らかいので、このまま食べれます。
最後に、こちら。
お茶の木なんです。
黄緑色が鮮やかな部分が新芽です。
これも新芽を頂きます。
こんな材料を、家の周りでかき集めて、天ぷらにしてみました。
写真、左上あたりが柿の葉。
とてもオーソドックスな、優しい口当たりです。
左下が山椒。
山椒の風味がたまりません。
水分量が少ないからか、カリッと揚がりました。
写真右上がお茶の葉です。
最初の一噛みで、お茶独特の苦みを感じさせる風味。
でも甘みも感じさせます。
そして、中央部の長細いのがタラの芽。
棘も全く気になりません。
他の天ぷらが葉っぱメインであるのに対し、芽なのでジューシーさは際立っています。
食べごたえがありました。
基本的に揚げ物って、自分ではやらずにこの年まで生きてきたのですが、昨年、野草の天ぷらを頂いてからは、「出来るようにならなくては!」と強く思いました。
だって、こんなにも身近に、素晴らしい食材があるわけですから。
厳しい冬があっての、春の恵み。
そして、感謝しながら春の恵みを頂く。
これが年中手に入るものだったら、そこには感動なんてない。
スーパーで買うカップラーメンに感動があるだろうか?
(自分で言っときながらだけど、たまにカップラーメン食べると、とても美味しく感じてしまったりする。<苦笑>)
感謝の念を抱いて料理し、感謝の念を抱きながら頂く。
とても穏やかな幸せに満たされます。
こんなに豊かなことはないなぁ…と感じるわけです。
そして、自分が味わった感動を、いつか提供できるようになりたいなぁ。
引越しをする
こんにちは。OGUROBBYです。
先日、こちらに来て初めてヘビを見ました。
しかも、1日に2回。
意外と足(?)が早いんですね。
2回とも、車に乗っている状況だったので、パニックになるということはなかったのですが、2回目は気付いた時には轢いていました。
木の棒と思ってそのまま車を走らせたら、バックミラーにのたうち回っているのが見えまして。
南無阿弥陀仏。(合掌)
暖かくなってきて、冬眠から覚めたヘビが車に轢かれた姿をよく見かけます。
ヘビ自体、決して珍しいものではないようです。
生身で出くわしたときの対処法、身に着けとかなくちゃ。
目次
1.実は家を探してました
2.業者に頼らず、引越しをする
3.家を改造する(ちょびっと)
1.実は家を探してました
昨年(2016年)の9月に、僕たちは島根県吉賀町柿木村に引っ越しました。
入居先の「お試し」住宅は、まさに吉賀町での暮らしを「お試し」するための住宅。
入居できる期間が決まっています。
子供のいない僕たちの入居期限は、1年間。
移住を前に吉賀町に下見に来た際(昨年8月)、実はいくつか空き家を見せてもらいました。
残念ながら、その時点で入居を即決できる物件はなく、一度お試し住宅に入って、時間をかけて家を探すことにしました。
空き家情報は、町の管理している空き家バンクだけでなく、近所の方から教えてもらうこともあったし、アルバイト先で教えてもらうこともありました。
個人的に、地域で働く(アルバイト含め)というのは、やって良かったと思っています。
こちらで初対面の人と会話すると、大抵二言目には「仕事は?」と聞かれます。
自分が何をやっている者なのか、簡単に説明できると相手も安心してくれる気がします。
また情報が地域で廻るのも早いので、家の外で見せた姿勢が、家探しを間接的にサポートしてくれる可能性はあると思います。
一方で、実際には空き家なのに、貸してもらえない理由も分かる気がしました。
実際の空き家は見学すると、身の回りのものが結構置いてあったりします。
単純に、それを片付けるのはエネルギーが要りそう。
都会的な感覚からすると、「遊ばせておくのは勿体ない。人に貸したり、売ったりすればお金になるのに」かもしれませんが、人の性として、大量の物(しかも自分の物ではないかも)を整理するのは、簡単なことではない。
一言で言うと、「ご縁」の世界なのかもしれません。
いささか乱暴なまとめ方かもしれませんが。(笑)
2.業者に頼らず、引越しをする
僕たちの新居は、結局、町の運営する空き家バンクで見つけました。
サラリーマン時代の転勤も含めると、この3年間で3度目の引越し。
3年前の引越しは転勤(会社都合)だったので、引越し代は会社負担。
引越し元での箱詰めと、引き払った後の掃除、新居での段ボール開梱くらいで終わりです。
「簡単だった」と勢いで書いてしまいたいんだけど、時間の制約がきつく、結構しんどかった。
愛知県のマンションで引越し屋さんを午後見送り、掃除して、夕方に新幹線で東京に移動。
翌朝、東京の社宅で荷物受け入れ。
その翌日には、出勤していました。
恐らく、今どきのサラリーマンの引越しとしては、一般的なパターンでしょう。
昨年の引越しは、退職後の東京から島根への移住。
自腹なのでお金はかけたくなかったのですが、さすがに距離もあるので、業者にお願いしました。無駄なものを運びたくなかったので、断捨離も一気に進めました。
そして今回。
近距離(片道20km程度)、かつ荷物も少ない。
ようやく、業者に頼らずに引越しをするチャンスが巡ってきました。
軽バンと、軽トラ、フル活用です。
今回はタンスを頂けることになったので、今まで衣装ケースにしまっていた衣服類を、早々にタンスに移しました。
空になった衣装ケースを、段ボール代わりにして、ピストン輸送。
こんな具合に、1日に2-3往復。
引越し先で、衣装ケースの中身を出して、空箱を持って引越し元へ。
約1週間で荷物の運び込みを、ほぼ終えました。
「引っ越しは二度としたくない!」
そんな風に思ったのも、この3年間で3度目です。(笑)
ただ、引越し作業の意味を無理矢理ひねり出すとするなら、自分の持ち物と向き合い、断捨離を進めるきっかけになる、ということでしょうか。
環境に優しかったのかは、甚だ疑問です。
ゴミ(段ボール、ガムテープ、その他梱包材)は使わなかったけど、ガソリンは使った…。
3.家を改造する(ちょびっと)
家の改造。
厳密には、これは引越し作業と並行して進めました。
物を運び入れてしまうと、改造もしにくいですからね。
ぐだぐだ書くより、まずはお見せしましょう。ビフォーアフターを!
<before>
<after>
光の加減と、アングルの違いで解りにくいのですが。。。
もともと収納だったスペースを、棚ぶち抜いて書斎スペースにしました。
収納の床もフローリングになっていたのと、集中するために書斎スペースはリビングと分けたいと考えまして。
これまでの「お試し」住宅と違って、大胆に手を加えることが出来たのが、正に今回の引っ越しのご褒美でした。
実家を除くと、これまで住んだことがあるのは、賃貸アパート、寮、マンション、社宅。マンションだって、資産価値考えると re-form はできても、こういう改造って出来なかった。
1年前の自分と比べて、「自分で出来る」選択肢、増えてきたなぁ。
なんて、悦に浸ったりするのも幸せなもんです。
最後にサービスカット。
著者近影です。(笑)
高菜の佃煮をつくる
こんにちは。OGUROBBYです。
日に日に春が濃くなっていきます。
ついこの間まで、ヒートテックを着ていたのに、最近はTシャツの上に1枚羽織る感じで昼間は過ごせてしまいます。「春めいた」なんて時期はあっという間に過ぎ去り、もはや「初夏」と呼んで差支えないレベル。
この吉賀町に、初めて下見に来たのが昨年のゴールデンウィーク。
実際に引っ越してきた昨年9月を起点にしたら、こちらに来てまだ1年経ってないのですが、今のこの風景はなんだか見覚えが。早くも懐かしいような、嬉しいような。
目次
1.今日も頂きもの たくさん
2.高菜の佃煮
1.今日も頂きもの たくさん
先日、知人の畑(家庭菜園)の畝立てを手伝いに行きました。
自分で書いておきながら何ですが、「知人」という表現が、どうもしっくりきません。
察するに、年の頃は60代でしょうか。
女性なので、年齢聞きずらいところもあります。
そんな大先輩を、「友人」と呼ぶには憚られる気もするけど、「お婆さん」というのはもっとしっくりこない。
そもそも、こちらでは何歳くらいから、「お爺さん」「お婆さん」と呼んだらいいのか、物凄く曖昧です。
実際、僕より体力のある大先輩は、ゴロゴロいます。
なので、「お爺さん」「お婆さん」という言葉は、日常であまり使っていません。
話が逸れました。
話を進める為、敢えて「知人」という呼び方をすることにしましょう。
「料理を作って、人にあげるのが好き」
この知人の口癖です。我が家にとって、なんとも有難い方の一人なのです。
今までも、芋の天婦羅やら、ぼた餅やら、ゆずみそやら、頂いたものは数知れず。
ところが、お返しできるものがなかなか見つからない!
ギブ&テイクどころか、一方的にギブして頂いている、超不平等外交なのです。
他所の台所事情なので首は突っ込めませんが、時々心配になります。
「あげてばっかりで大丈夫?」、と。
そんな大富豪(笑)が、田舎にはゴロゴロいたりするのです。
ありがたや~。
「ホウレンソウ、一人じゃ食べきれんから収穫手伝って!」
この日も、有難いお誘いを頂いていたので、参上。
「当然」という言葉は、この場に相応しくないのですが、
当然ホウレンソウだけで許してもらえる訳がなく(笑)、
サニーレタスやら高菜やら、スーパーの袋いっぱいに野菜を頂いて帰りました。
今日も、たくさんの借りを作ってしまった…。
2.高菜の佃煮
高菜。
今回の話の主役です。
恐らく、関東出身の人にとっては、なかなか馴染みがない野菜です。
そもそも、東の人にはあまり食べる習慣がないのでは?
唯一登場するのは、豚骨ラーメンを食べに行くと卓上にある薬味くらい。
アレだって、僕は替え玉した2杯目からしか投入しない。
家庭の食卓には、まず登場しないのではないでしょうか?
でも九州の方にとっては、とてもポピュラーな野菜なのでしょうね。
ウチも嫁が九州出身なので、会話には何度か登場したことがあります。
そしてこの知人も、九州のご出身。
自宅の裏庭である畑に、関東出身の僕からすると「こんなに!?」という位、大量の高菜を植えていらっしゃいました。
やはりソウルフードということなのでしょう。
「持っていきなさい」
ということで、6株分も頂いてしまいました。
さて、どうしたものか。食べ方がわからない。
意外とゴツいんですよ。
どう見ても、手軽にサラダとかで納得してもらえるようなタマではない。(笑)
どういうおもてなしが、高菜さんに満足いただけるのか。
知人からは、「一度湯がいて、ゴマ油で炒める」というアドバイスを頂ました。
想像するに、正にラーメン屋のアレです。
ここは王道を進んでみるか。
教えてもらった通り、高菜を湯がき、刻んで、ゴマ油で炒める。
味付けは、醤油と酒と砂糖。
最後に、たっぷりの鰹節をまぶして混ぜる。
出来たのがコレ。
ゴマをまぶしても良かったかな~。
思いの外、味もまとまった。
見た目は完全にラーメン屋のアレなのだが、砂糖入れたので、どちらかと言うと飯の友、という感じ。
手前味噌ではあるが、自分で作ると美味しい気がするし、何より楽しかった。
嫁も「懐かしい~」と言いながら、食べてくれた。
さてこの高菜、である。
東の人は、仮に八百屋やスーパーの店頭にそのまま並んでいたとしても、まず手に取らないだろう。見た目のとっつきにくさ、かな~???
一方で、好奇心というか、珍しい野菜への興味は、誰しもが持っている気がする。
ロマネスコ、とかスティックセニョール、アイスプラント等々。
アボカドだって、市民権を得たのは最近だと思う。国産とはなかなかいかないだろうけれど。
高菜みたいな野菜が、全国的に市民権を得るには、どういった仕掛けがいるんだろう???なんて考えてみる。
知らない野菜を調理して食べる。
それが美味しかった時、そこには間違いなく喜びがあるはず。
もっとも、そういった野菜が普及するための一番の難敵は、忙しさとか、余裕のなさなのかもしれない。
「料理ごときに時間をかけたくない」、「失敗しないため、扱いやすい野菜が良い」。
日常的に時間に追われていると、そう考えてしまうのも自然なことなのかもしれない。
生活スタイルが複雑な分、都会の方が時間に追われている感は強いと思う。
田舎暮らしだと、ある日突然、大量の野菜を頂くことがある。
頂いた野菜の鮮度はどんどん失われていくので、早いところ料理して、食べてしまわなくてはいけない。
「必要は発明の母」という言葉がある。
案外、今回僕が抱いた思いも、そういった環境による必然なのかもしれない。