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ダウンシフトを生きる

「ダウンシフト」、一緒にはじめませんか?

魂の退社

こんにちは。OGUROBBYです。

台風18号の接近に伴い、今日は家に引きこもってブログを書くことにしました。
昨夜の町内定時放送で、町内の小中学校の臨時休校が発表されていました。
自然と共に生きる。人間が自然に合わせる。
そんな暮らし。

今日は久々、本の紹介です。
その名も『魂の退社  会社をやめるということ。』

このブログのテーマにも直結するような一冊でした。


魂の退社



目次
1.この本を手に取ったきっかけ
2.著者、稲垣さんとは?
3.稲垣さんは、なぜ会社を辞めたのか

 

1.この本を手に取ったきっかけ

このブログでも、時々「とあるバー」という表現で登場させていますが、今回も、発端はその「とあるバー」での出会い。

店主の高坂さんは、「ダウンシフト」という生き方を提唱されている方です。
本当に面白いバーで、多くのお客さんは高坂さんの本を読んでとか、新聞・雑誌・TV等で店主の活動を知ってというのが殆どだと思います。

「ダウンシフト」については、今更ですので説明は省略しますが、興味のある方はこちらの記事をお読み頂けると幸いです。
 

ogurobby.hatenablog.com

 何が面白いかというと、この店に来るお客さんの個性。
店主のポリシーとして、店はアルバイトを雇わず一人で店を切盛りしているので、店主が忙しいときは、自然と隣のお客さんと話す文化があるんです。
(余談ですが、このお店に行くときは、一人で行くことを絶対的にお奨めします。)

この本を手に取ったきっかけも、そんなご縁の一つ。

今夏の参院選前でした。
その日は会社を辞めること、原発の話をしたような。

とてもフットワークの軽い方で、
 
「歴史上の人物にはお目にかかれないけど、僕らは生きている人にはどこだって会いに行ける。」

という言葉には衝撃を受けたのを覚えています。


その方が、主催する読書会がfacebookのタイムラインに流れてきました。
題材として取り上げられていたのが、この本だったのです。

 

2.著者、稲垣さんとは?

すみません。
知った風に書いてますけど、勿論面識はありませんし、僕もこの本で初めて知りました。お会いしてみたいですけどね。
というわけで、紹介文は巻末の著者紹介より引用。

 

1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社入社。
大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員編集委員をつとめ、2016年1月退社。朝日新聞VS橋本徹氏の対立では大阪本社社会部デスクとして指揮をとり、その顛末を寄稿した月刊「Journalism」(朝日新聞出版)が注目を集めたほか、最近の朝日2大不祥事の後に朝日ブランド立て直しを目指して連載したコラムが一種異常な人気となり、テレビ出演などが相次いだ。その際、テレビ画面に映し出された見事なアフロヘアと肩書のギャップがネット上で大きな話題となった。


  ※以下、引用部は全て本書からの引用です。断り書きがない限り。

朝日新聞社を辞めたんです。この方。
新聞記者と言えば、生活の昼夜が逆転してしまうとか、どちらかというと労働環境は過酷な方でしょうけど、朝日新聞と言えば、国内で発行部数で1位、2位を争う大新聞社です。今更説明不要ですね。

余談ですが、僕も朝日新聞の入社試験、筆記で落ちました。
課題論文のテーマが「長嶋と野村」だったかな。


おっと、また脱線。
朝日新聞社。普通に考えれば、入ってしまえば一生喰いっぱぐれることはない。
社会的なステータスも含め、「辞める」という選択肢は、通常考えにくい、、、ですよね。

稲垣さんについての補足情報。

50歳、夫なし、子なし、無職。


自分以外の家族で、収入を得られる目途があるわけでもないんです。
若くもない。収入源もない。

そんな彼女が、何故、朝日新聞社を辞めることにしたのか。


3.稲垣さんは、何故会社を辞めたのか

直接的なきっかけは、何だったかなぁ。忘れました。
でも、直接的なきっかけは何でもいいんですよ。

多分、ギックリ腰のきっかけと同じくらいバリエーションがある。(笑)
7年程前に、僕が皿洗い中に咳をして腰やってしまった話をしても、何の参考にもならないように。

ただ、「何か」をきっかけに、考えたことはこう書いています。

(在職中は、)
欲望は努力のモチベーションであり、その結果得たものは享受して当たり前であり、もっともっと上を目指したい、目指さなければいけない、と思っていたのです。
会社においても、暮らしにおいても。
 今にして思えば、それは降りようにも降りられない列車でした。というか、降りようなんて考えたこともなかったのです。なんで降りなきゃいけないのか。こんなにキラキラした生活をしているのに。しかも何とかなっているのに。しかしよくよく思い返してみれば、その列車に乗り続けている自分に、そこはかとない不安のようなものも感じていた。
 どこまでやればよいのだろう、一体いつ「これでいいんだ~」と心から満足できる日が来るんだろう、と、ぼんやり考え続けていたように思います。


「降りられない列車」。上手く表現するなぁ。
もっと言うと、決して新幹線のグリーン席みたいな快適環境ではなく、満員電車ですよね。

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退職前、僕自身も日本の教育はなんだかパッケージ化されているように考えるようになりました。親は所謂、団塊の世代で右肩上がりの経済を成功体験として持っています。

 「少しでも良い学校、少しでも良い会社」

自らの体験を基に、そりゃそんな教育しますよ。
(これ自体は、感謝こそしても、決して否定できるものではない。)

そんな物差しの中で獲得した選択肢の中から、ちょっとでも「良い」と思われるものを選択する。

途中で「列車」を乗り換えたりしてきたけど、僕自身もそんな風に生きてきました。

「列車」を選択するのは自分自身。
だけど、これがなかなか降りられない。

緊急停止ボタン さえ押せば、「列車」は停まるのに。

「集合時間に間に合わなくなる」
「周りに迷惑をかける」

そんな心の声、僕自身も聞いてきました。
でもですよ、この「列車」がどこまで走るのか、仮に終着駅まで辿り着いたとして、降りたときにどんな景色が待っているのか、考えたことがありますか?

稲垣さんは、こう続けています。

身も蓋もないことだが、やはり会社と会社員を結びつけている最も大きなものは「給料」である。多くの場合、会社員は給料に見合った暮らしを志す。なので、給料の多寡に関わらず、会社を辞めればそれまでの暮らしが成り立たなくなる。だから、会社を辞めることは難しいのだ。
 しかし私は高松において、「もらう分だけ使う」生活から徐々に離れていった。それは決して将来にために我慢したわけじゃなく、それで十分に楽しかったから、いやむしろその方が楽しいんじゃないかと思い始めたから。その結果、期せずして「もらうお金」と「使うお金」が切り離された。


少し解説します。
一般的に人はもらうサラリーに見合った暮らしを志す。
給料が上がれば、これまでより高いお店で食事ができ、高いものが買える。

「いつかはクラウン」

そんな言葉に代表される世界です。
今はレクサスもあるし、車離れが取沙汰される昨今、例えとして適切ではないかもしれませんが。(笑)

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稲垣さんは、新人‟修行”時代を高松(香川県)で過ごされ、東京に転勤で戻されて以降は、「この先ずっと東京」と思い込んでいたそうです。
新聞社ってそういう働き方なんですね。

ところが、高松への異動を命じられ、青天の霹靂。
赴任したは良いが、東京で買っていたようなモノは、そもそも売っていない。
物理的、非常にネガティブな理由で、これまでの生活を諦めざるを得なかった。
そこでお金を使わない(お金に頼らない)ライフスタイルを模索していった、というわけ。

そして、東京的な消費に依存した社会に対して、このように述べるのです。

現代人は、ものを手に入れることによって豊かさを手に入れようとしてきました。しかし繰り返しますが、「あったら便利」は、案外すぐ「なければ不便」に転化します。そしていつの間にか「なければやっていけない」ものがどんどん増えていく。
 それは例えて言えば、たくさんのチューブにつながれて生きる重病人のようなものです。チューブにつながれていれば、必要な薬や栄養が着実に与えられて命をつなぐことができます。しかし一方で、ベッドから起きだして自由に動き回ることはできません。
(中略)
 私は生まれて初めて「自由」ということの意味を知ったのかもしれない。それまでずっと「あったらいいな」と思うものを際限なく手に入れることが自由だと思ってきました。しかし、そうじゃなかった。いやむしろまったく逆だった。
 「なくてもやっていける」ことを知ること、そういう自分を作ることが本当の自由だったんじゃないか。


いかがでしょうか?
何が「自由」なのか、分からなくなりませんか。

僕も、このブログで引き続き「自由」な雰囲気をお伝えしていければと思っています。


最後に、仕事について。

 

 仕事とは、突き詰めて言えば、会社に入る事でも、お金をもらうことでもないと思うのです。他人を喜ばせたり、助けたりすること。つまり人のために何かをすること。は遊びとは違います。人に喜んでもらうためには、絶対に真剣にならなきゃいけない。だから仕事は面白いんです。苦労もするし、思う通りにいかなくても逃げ出せない。しかしだからこそ達成感もあるし、仲間もできるし、人間関係も広がっていく。助けた人から今度は助けられる。そのすべては、遊んでいるだけでは手に入らないものばかりです。


実は、近所の温泉通っていたら、「手を貸して」とアルバイトに行くことになりました。今週頭に一回行ってきましたが、何やら激痩せの予感。(笑)
身体の部位により、筋肉痛のタイミングが違うという…。

仕事を通じて、また世界が広がる…この場合は顔が広がる、ですね。

人様のお役に立てて、お金も頂ける。
こんなに有難いことはないし、本来、仕事とはこうあるべきだと思います。
「期限までに回答を入手するため、どうやって相手を追い詰めるか」、ではなくね。


色々書きましたが、この本、掛け値なしに面白いです。
興味を持たれましたら、是非一読下さい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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