行く川の流れは…
こんにちは。OGUROBBYです。
早いもので、昨年の6月19日にこのブログを始めて、もうじき1年です。
そして、今回で52個目の記事になります。
ここまで続いたことに自分でもビックリ!
年間で52回の更新。
平均して週1ペースは守れたようです。
週刊少年ジャンプの年間最終号が、52号くらいですかね???
そう考えると、なんだか少し感慨深い。
更新のタイミングは、予定外に開いてしまったり、立て続けに書くことが出来たり、と不定期極まりないのですが、読んで頂けることに感謝!
引続き、お付合い下さい。
目次
1.産業体験のはなし
2.行く川の流れは…
1.産業体験のはなし
先月より、「産業体験」という県の制度を利用して農家さんに弟子入りし、有機農業を学んでいます。
(詳しくは、以下の過去記事を参照ください。)
研修自体は、とても濃い毎日を送らせて頂いています。
もしゼロから農業を始めようと思っても、何から手を付けてよいか分からない。
考え方がわからない中で闇雲に動いても、疲弊するだけですよね。
農作業の一部を体験させて頂きながら、農「業」である所以、考え方やスピード、これまでの農家人生で苦労した点等に触れさせてもらえるのは、とても貴重な時間です。
最初に刺さった言葉。
「農業は段取りが命」
行き当りバッタリではない、ということです。
何をどこで作るか考える。
逆算して必要なものを揃える。
そして土を作る。
さらに大事なことは、売れる分だけを作る。
これも段取りの内なのですが、考えてもみませんでした。
農家にとっての収入は、言うまでもなく農作物、もしくは加工品の販売です。
ただ作れば作っただけ、全て収穫できるわけではありません。
そして、全て買い手がつくわけでもないのです。
(買い手、もしくは買い手の目途がつかなければ出荷もできません。)
例えば胡瓜。
胡瓜というのは成長がとても早く、朝晩2回収穫しなくては間に合わないそうです。
育ち過ぎれば、出荷規格に合わなくなる。(=出荷できない)
野菜は成長を止めてくれない。
野菜がどんどん育ってくる中、出荷先を探すのはまず無理な話のようです。
単一の野菜を大量に育てる。
これはノウハウの蓄積だったり、作業効率的にとても効果があります。
でも、人と同じ時期に同じものを作っても、市場でだぶついてしまう。
そういった事も踏まえて、農家さんは作物を育てています。
かくいう僕も、実体験を伴っていないので、まだ知識だけの状況なんですが。
産業体験の現場は、田んぼや畑、野菜を袋詰めする納屋だけではありません。
先日は、川に入りました。
何をしたかって?
身を清めて雨乞いです。(笑)
間違えました。溝掃除です。
梅雨入りしたものの、全く雨が降らない状況が続いています。
川の水量が減り、用水路の水も細り、田んぼに十分な水が確保できません。
用水路の上流の方が水を取り過ぎると、下流にある田んぼは干上がってしまいます。
上流にある他所の田んぼの水を勝手に堰き止めることは出来ないので、用水路の水量を増やす必要があるのです。
つまり、こういうことです。
(下手な図でスミマセン。)
上の図の通り、川から用水路の水を引いています。
この用水路から、各田んぼは水を取っています。
ちなみに、田んぼへの水の取水口は下の写真のイメージ。
木の蓋を溝にはめて、用水路から田んぼへの水の流入を堰き止めています。
話を(図に)戻しましょう。
川から用水路への水が少なくて、田んぼに必要な水が確保できない。
そもそもの川の水量、それ以外の要因として用水路入り口付近のヨシ(草です)が、入り口を狭めてしまっていたのです。
だから、ヨシを株ごと除去しないといけない。
根っこを残すと、また生えてきますから。
ちなみに、ヨシの写真はこちら。
川の中央部に密集している草です。
今日は脱線だらけだな~。
(ちなみに写真は別の場所で撮影したもの)
「うんとこしょ。どっこいしょ。」
まだまだヨシは、抜けません。
やっぱりこれだけ大きな草なので、根が張ってます。
普通に僕の身長(172cm)より高いですから。
長い金属の棒を根元に刺し、大きな石を支点にして、テコの原理で持ち上げます。
根っこさえ浮かせてしまえば、引っ張れば抜けるようになります。
そして、スコップで用水路入口付近を深くして、水をさらに呼び込むようにする。
・・・
・・・
・・・
なかなかに重労働でした。
でも、用水路に流れ込む水量は、前より増えました。
田んぼの中だけでは解決しない。農業の奥深さです。
これも雨が降っていれば不要な仕事ではあったのですが、、、
ただ、こういったいざと言う時の対処法を学べるのは有難い限り。
スムーズにいってたら、雨が十分に降ってたら、こういう学びはなかったですから。
2.行く川の流れは…
さて、そんな貴重な体験をさせて頂いた翌朝のこと。
田んぼに水点検にいくと、昨夕全開で水を注ぎこんでいたのに、干上がっているではありませんか!
この田んぼは、田んぼ内に波板を張っています。
用水路から流れ込んだ冷たい水は、田んぼの外周部分を回りながら徐々に水温を上げていく、という仕組み。
用水路の冷たい水が稲に直接当たると、稲の成長を阻害してしまうのです。
干上がっている原因は何か。
正解が用意されているわけではないので、自分で仮説を立てて、手を打たなくてはなりません。
注意深く観察していくと、外周部分で水の動きが感じられない。
手を突っ込んでみる。
水の流れを全く感じられない。
用水路から水は注ぎこんでいるのに、この水はどこへ行ってるのだろう???
さらに、外周部分をじっくり確認していくと、怪しいところがあるわけです。
幅も狭いし、浅い部分。
水が通るとは、とても思えないような。
少なくとも、用水路から流れ込む水量はここまできていない。
そこで、ピンときました。
水が流れやすいようにしてやらなくては!
そこで、外周部分におもむろに手を突っ込み、溝を掘ったわけです。
水が流れやすいように。
底の泥を、手前の岸部分にひたすらかき上げる。
やっているうちに、妙にハイになってきます。
そこだけ切り取ったら、子供の頃の泥遊びみたいな感覚。
真剣な泥遊び。(笑)
即興ですが工事の甲斐もあり、水の流れが復活しました。
ここにはヨシみたいな強敵もいない。
見えますか?上の写真の左側にたったさざ波。
いや、いいんです。自己満足です。
田んぼの中にもさざ波が走り、水が入っていくのを確認したから一安心。
行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。
日本人の美的感覚。
やはり流れるものは、流れて行ってくれないと。
朝の忙しい時に、トイレが詰まったら嫌でしょ?(笑)