侵入者は誰ですか?
こんにちは。OGUROBBYです。
今年は雨が降らないですね~。
昨年までは「雨」と言えば、憂鬱な気分になったもの。
雨が降らないと、野菜が高くなるとか、夏に取水制限に合うかも…といったことは頭で分かっていても、出掛ける時に傘が必要となると面倒でしかなかった。
お気に入りの傘を奮発して、ちょっと雨を楽しむ努力をしてみるものの、お店に傘を忘れて取りに戻ったり、本当に面倒な思い出ばかり。
洗濯もできないし。
だけど 今度はちょっと違うんだ 昨日の僕とは
引用元: Mr.children 「星になれたら」
そう、今年はちょっと違うんですよ。
雨が降れば、家庭菜園の野菜に水やらなくても済むし…。
という問題ではないですね。
ぐーたらはさておき、
やはり水は全ての命の源だなぁ、などと思うわけです。
雨の後は、野菜も一気に成長しますし。
草も同じように伸びるんですけどね。(苦笑)
僕ら動物は、勿論そういった植物の恩恵を頂いて生きる。
ただ植物を食べるだけでなく、そういった植物を餌とする生き物をも食べる。
そして、水そのものも摂取しなくては生きていけない。
雨。
普段は気付かないけど、当たり前のものではないんだなぁ。
目次
1.電気柵破られる
2.侵入者は誰ですか?
1.電気柵破られる
ある日のことでございます。
いつもの通り農家さんの下で研修を終え、近所の田んぼを見回りに行った時のこと。
なんと、電気柵のところで何者かが侵入した痕跡があるではありませんか!
とその前に。
電気柵について説明しましょう。
一般にコメや野菜を、作るときの敵は、草。
(もちろん、天気に悩まされることも多々あります。)
そして、中山間地におけるもう一つの大敵が、獣であります。
主に、猪、鹿、猿。
そういった獣に対抗しうる、数少ないアイテムの一つが電気柵です。
この電線、6,600Vの電流が流れています。
仮想敵としては、主に猪なんでしょうか。
触ったことはないのですが、触れると「アッ!!」となるはず。
「アアーッ!!!」となる程ではないようです。
以前、本でも読んだのですが、猪は警戒心が物凄く強い。
取り敢えず、鼻先で何でも触れて、安全を確認することが多いようです。
金網の穴を押し広げて入って来ることもある位の力持ちなのですが、猪の警戒心に訴えかける仕掛けですね。
この電気柵、今年はシステムをお借りして、セットして頂いたものなのですが、来年からは自分で調達して、セットしなくてはなぁ。
2.侵入者は誰ですか?
さてこの電気柵、今まで僕も嫁も引っ掛ったことがあります。
幸い、夜間しか電流ながしていなかったので、「アッ!!」とはなりませんでした。
自分の足の長さを過信するにも、程がありますね。(笑)
人間が引っ掛ける場合、大抵は跨ぎ損ねからくるので、3本のうち、一番上の線に変化があります。上から踏む、横から引っかける、バリエーションは色々ありますけど。
だけど今回は、ちょっと違うんだ。
あ、韻を踏み損なった。
何が違っていたかと言いますと、上から3本目の線が下に押し下げられ、2本目には逆に押し上げられ、いかにもそこを何かが通ったような感じだったのです。
魔界に通じる扉のように、その隙間から怪しげな気配が漂っていたのでした。
(写真撮るのもそっちのけで、直してしまいました。)
そして、犯人の足跡がコチラ。
蹄があるの、お解り頂けるでしょうか。
猪!?と思ってしまいましたが、猪にしては、相当にお行儀が相当に良いんですよ。
猪は、餌となるミミズを探して、地面をボコボコに掘り返していきますから。
こんな風に。
ちなみに、写真のように泥深い水溜りを「ぬたば(沼田場)」と言います。
猪は、ここで体についた虫や汚れを落とすために泥浴びをするのです。
スタバはないけど、ヌタバはある。
思わず、太字にしてしまいました。(笑)
これも吉賀町の特徴でしょうか。
話を戻しましょう。
被害と言えば、確認できたのは2株ほど上から踏み潰されただけ。
手塩に掛けていただけに複雑な思いもありますが、被害は最小限と言ってよいでしょう。
そして、足跡と足跡の間が1m近くある。
さらに、電気柵を破られた箇所は1箇所。
そこから入ったとして、犯人は何処へ消えたのか。
事件は完全に迷宮入りです。
近所の方々に相談してみたところ、
「鹿だね」
との言葉。
なるほどー、とは思ったものの、それ以上の感想が浮かびません。
「稲が穂を形成する頃の田んぼに猪の侵入を許すと、全て喰われてしまう」と聞いているので、猪=最悪という頭はあるものの、、、
よくよく聞くと、近所で鹿の目撃情報も。
歩幅、鹿なら電気柵は勿論、金網等の障害物も飛び越えていくだろうということで謎は解決したのですが。
ただ、ご近所さんの言葉には唸らされました。
「侵入者は、むしろ僕ら人間だからね。獣たちの中に住まわせてもらっているという意味で。」
そうなんです。
中山間地で、農業をやろうとすること。
農業の「業」は 「なりわい」であると同時に、「ごう」でもあるのかもしれません。
自然界の動物にとっては、僕ら人間は侵入者かもしれないけど、
僕たち人間も生活していかなくてはならない。
獣たちよ、お手柔らかに。
切磋琢磨は勘弁ですけど。(笑)