ダウンシフトを生きる

「ダウンシフト」、一緒にはじめませんか?

変化、破壊、成熟

こんにちは。OGUROBBYです。

「最近、何か本読んでる?」

先日、本好きの農家仲間から挨拶代わりにもらった声掛け。
う~ん、読んでいると言えば読んでいる。
でも読んでたつもりが、いつの間にか寝ちゃっていた、とか多いんですよね。(笑)

炎天下の作業で消耗しているのか、はたまた、身体中の虫刺されが痒くて集中できないのか、うだるような暑さのせいか。



目次
1.変化、破壊、成熟

1.変化、破壊、成熟

僕の好きな雑誌に、「Number」があります。
隔週で発売されるスポーツ誌なのですが、選手へのインタビュー記事が多く、選手の内面に切り込んでいくのが特徴と思っています。

記録や試合展開だけを叙述する記事だと、時間の経過と共に風化してしまいがちなのですが、メンタリティ的な中身が多いので、内容は普遍的。

さすがは文藝春秋(出版元)という感じです。

愛知、東京に住んでいた頃は、結果的に定期購読に近かったかも。(苦笑)
そんな中、僕の本棚でずっとつん読されていた本を、今回読んでみました。


それがコチラ。

日本人メジャーリーガーの軌跡 (文春文庫 編 2-54)


表紙は野茂英雄
そういや、僕は昔、近鉄ファンだったのです。
表紙の野茂にグッと来たのと、Numberの編集ということで、「絶対面白い」と安心して買ったはずなのですが、「いつか読むだろう…」と本棚行き。(苦笑)


本の中身は、1995年~2015年のNumber本誌の中から、日本人メジャー選手の記事を集めたもの。
「10年ひと昔」と言いますが、20年間ですから。
そりゃあもう、懐かしい。
日本人メジャーリーガーって、こんなに沢山いたのか!と驚きます。

ただ、伝えたいのはそこではなくて、超一流の選手は、やはり考えも、言葉も超一流だなということ。

残念ながら、僕の好きな野茂は、言葉が少ないのかページの割にあまり本人の言葉が引用されてないんですよね。(表紙なのに!)


でまあ、読んでいくとこれが結構勉強になったりする。
勿論、僕は野球選手ではないので、150km/hの球を投げたり、打ったりする必要性なんて微塵もありません。

しかし、一流選手とは言え、人生本当に順風満帆なんてことはありません。
時には改革者ゆえの批判にさらされたり、
世間一般的な固定観念の上でしか評価してもらえなかったり。
老い」という人類共通のテーマとも戦わなくてはいけない。

環境の変化をどう受け入れ、乗り越えていくかというテーマは、何もアスリートに限った話ではなく、もっと一般的な話だったりします。


今回、この本で「おおっ!!」と感じたのは、イチローと松井の「自分を変えていくこと」に対するスタンス。


イチロー選手の言葉から、紹介しましょう。

「破壊を経ないと成熟しないんじゃないかという考え方です。このまま持ち上げられて、時間が経ったら、僕はダメになります。だからいろんなものを壊したい。
 <中略>
変わりたい…というよりも、壊していきたい(笑)。それが吉と出るかどうかはわからなくても、そうやって壊していく姿勢が、僕は好きなんでしょう。
 <中略>
僕は変わることがまったく、怖くない。このフォームでシーズン262本のヒットを打っても、次の年にはまるっきり形を変えたこともあるし、むしろそこに停滞していることのほうが怖い。そうでないとやってられないんです。だって形が決まるということは、自分の中でこれ以上ないということにつながりますから…そんなことはありえないんです。バッティングは永遠に終わらない。答えなんか出ないのがバッティングですから、そこにとどまっていたら、終わってしまいます。」

 イチロー選手の言葉  引用元:ナンバー876号 (2015年5月)


こちらは、イチロー選手がシアトルマリナーズ、ニューヨークヤンキースを経て、マイアミマーリンズに移籍した年の言葉です。
さすがのイチロー選手も、「ベテラン」と呼ばれる年頃になってますよね。


お次は、松井選手。

どんなに不調になっても、昔の感覚を思い出そうとすることはない。そうしてしまったら後ろに戻ることだからです。常に新しいものを探して、前に進みたい。僕はそう考えるタイプなんですよね。」

 松井選手の言葉  引用元:ナンバー591号 (2003年12月)


いかがでしょうか?

ちなみに松井選手がこのコメントを残した2003年は、彼が巨人からヤンキースに移籍した年。地に足のついた選手だなと、昔から思っていましたが、周りに流されることなく、きっちり自身を見つめていますよね。

安定を求めるのは人間の性(さが)だとは思いますが、永遠の安定なんてありえない。

例えば、就農1年目の僕。
安定なんて程遠く、失敗も含めて毎日が刺激的すぎます。(苦笑)
早く経験を積んで、ルーチン作業はルーチンに落とし込みたい、と考えたりします。
安定を欲してます。

でも、仮に農作業が「この時期はコレ」みたいに安定してきたとしても、体力がなくなってきたときにそれを出来るか、というのは別問題でしょう。
変化というのは、誰しも逃げられない課題なんです。


最後に、今度は別のイチロー選手の言葉を引用します。


「虚しさなんて、しょっちゅう感じています。でもそれこそが、成熟へ向けての道ではないですか。理不尽なことを経験しなかったら、人としての幅は出てきません。正論だけで大人の世界、やっていけないことは分かっていますし、そういうことを理解した上で現役でいることが大事なわけですから…」

 イチロー選手の言葉  引用元:ナンバー876号 (2015年5月)

 

 



この夏の暑さとか、雨の降らなさ加減も、理不尽だなぁ。。。
台風なんて東から西へ逆走してるし。

最近は専ら「土作り」に関心がいっていたような気がしますが、今回は「人作り」?
まあ、こんな日もあるさ。(笑)