ダウンシフトを生きる

「ダウンシフト」、一緒にはじめませんか?

魂の退社

こんにちは。OGUROBBYです。

台風18号の接近に伴い、今日は家に引きこもってブログを書くことにしました。
昨夜の町内定時放送で、町内の小中学校の臨時休校が発表されていました。
自然と共に生きる。人間が自然に合わせる。
そんな暮らし。

今日は久々、本の紹介です。
その名も『魂の退社  会社をやめるということ。』

このブログのテーマにも直結するような一冊でした。


魂の退社



目次
1.この本を手に取ったきっかけ
2.著者、稲垣さんとは?
3.稲垣さんは、なぜ会社を辞めたのか

 

1.この本を手に取ったきっかけ

このブログでも、時々「とあるバー」という表現で登場させていますが、今回も、発端はその「とあるバー」での出会い。

店主の高坂さんは、「ダウンシフト」という生き方を提唱されている方です。
本当に面白いバーで、多くのお客さんは高坂さんの本を読んでとか、新聞・雑誌・TV等で店主の活動を知ってというのが殆どだと思います。

「ダウンシフト」については、今更ですので説明は省略しますが、興味のある方はこちらの記事をお読み頂けると幸いです。
 

ogurobby.hatenablog.com

 何が面白いかというと、この店に来るお客さんの個性。
店主のポリシーとして、店はアルバイトを雇わず一人で店を切盛りしているので、店主が忙しいときは、自然と隣のお客さんと話す文化があるんです。
(余談ですが、このお店に行くときは、一人で行くことを絶対的にお奨めします。)

この本を手に取ったきっかけも、そんなご縁の一つ。

今夏の参院選前でした。
その日は会社を辞めること、原発の話をしたような。

とてもフットワークの軽い方で、
 
「歴史上の人物にはお目にかかれないけど、僕らは生きている人にはどこだって会いに行ける。」

という言葉には衝撃を受けたのを覚えています。


その方が、主催する読書会がfacebookのタイムラインに流れてきました。
題材として取り上げられていたのが、この本だったのです。

 

2.著者、稲垣さんとは?

すみません。
知った風に書いてますけど、勿論面識はありませんし、僕もこの本で初めて知りました。お会いしてみたいですけどね。
というわけで、紹介文は巻末の著者紹介より引用。

 

1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社入社。
大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員編集委員をつとめ、2016年1月退社。朝日新聞VS橋本徹氏の対立では大阪本社社会部デスクとして指揮をとり、その顛末を寄稿した月刊「Journalism」(朝日新聞出版)が注目を集めたほか、最近の朝日2大不祥事の後に朝日ブランド立て直しを目指して連載したコラムが一種異常な人気となり、テレビ出演などが相次いだ。その際、テレビ画面に映し出された見事なアフロヘアと肩書のギャップがネット上で大きな話題となった。


  ※以下、引用部は全て本書からの引用です。断り書きがない限り。

朝日新聞社を辞めたんです。この方。
新聞記者と言えば、生活の昼夜が逆転してしまうとか、どちらかというと労働環境は過酷な方でしょうけど、朝日新聞と言えば、国内で発行部数で1位、2位を争う大新聞社です。今更説明不要ですね。

余談ですが、僕も朝日新聞の入社試験、筆記で落ちました。
課題論文のテーマが「長嶋と野村」だったかな。


おっと、また脱線。
朝日新聞社。普通に考えれば、入ってしまえば一生喰いっぱぐれることはない。
社会的なステータスも含め、「辞める」という選択肢は、通常考えにくい、、、ですよね。

稲垣さんについての補足情報。

50歳、夫なし、子なし、無職。


自分以外の家族で、収入を得られる目途があるわけでもないんです。
若くもない。収入源もない。

そんな彼女が、何故、朝日新聞社を辞めることにしたのか。


3.稲垣さんは、何故会社を辞めたのか

直接的なきっかけは、何だったかなぁ。忘れました。
でも、直接的なきっかけは何でもいいんですよ。

多分、ギックリ腰のきっかけと同じくらいバリエーションがある。(笑)
7年程前に、僕が皿洗い中に咳をして腰やってしまった話をしても、何の参考にもならないように。

ただ、「何か」をきっかけに、考えたことはこう書いています。

(在職中は、)
欲望は努力のモチベーションであり、その結果得たものは享受して当たり前であり、もっともっと上を目指したい、目指さなければいけない、と思っていたのです。
会社においても、暮らしにおいても。
 今にして思えば、それは降りようにも降りられない列車でした。というか、降りようなんて考えたこともなかったのです。なんで降りなきゃいけないのか。こんなにキラキラした生活をしているのに。しかも何とかなっているのに。しかしよくよく思い返してみれば、その列車に乗り続けている自分に、そこはかとない不安のようなものも感じていた。
 どこまでやればよいのだろう、一体いつ「これでいいんだ~」と心から満足できる日が来るんだろう、と、ぼんやり考え続けていたように思います。


「降りられない列車」。上手く表現するなぁ。
もっと言うと、決して新幹線のグリーン席みたいな快適環境ではなく、満員電車ですよね。

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退職前、僕自身も日本の教育はなんだかパッケージ化されているように考えるようになりました。親は所謂、団塊の世代で右肩上がりの経済を成功体験として持っています。

 「少しでも良い学校、少しでも良い会社」

自らの体験を基に、そりゃそんな教育しますよ。
(これ自体は、感謝こそしても、決して否定できるものではない。)

そんな物差しの中で獲得した選択肢の中から、ちょっとでも「良い」と思われるものを選択する。

途中で「列車」を乗り換えたりしてきたけど、僕自身もそんな風に生きてきました。

「列車」を選択するのは自分自身。
だけど、これがなかなか降りられない。

緊急停止ボタン さえ押せば、「列車」は停まるのに。

「集合時間に間に合わなくなる」
「周りに迷惑をかける」

そんな心の声、僕自身も聞いてきました。
でもですよ、この「列車」がどこまで走るのか、仮に終着駅まで辿り着いたとして、降りたときにどんな景色が待っているのか、考えたことがありますか?

稲垣さんは、こう続けています。

身も蓋もないことだが、やはり会社と会社員を結びつけている最も大きなものは「給料」である。多くの場合、会社員は給料に見合った暮らしを志す。なので、給料の多寡に関わらず、会社を辞めればそれまでの暮らしが成り立たなくなる。だから、会社を辞めることは難しいのだ。
 しかし私は高松において、「もらう分だけ使う」生活から徐々に離れていった。それは決して将来にために我慢したわけじゃなく、それで十分に楽しかったから、いやむしろその方が楽しいんじゃないかと思い始めたから。その結果、期せずして「もらうお金」と「使うお金」が切り離された。


少し解説します。
一般的に人はもらうサラリーに見合った暮らしを志す。
給料が上がれば、これまでより高いお店で食事ができ、高いものが買える。

「いつかはクラウン」

そんな言葉に代表される世界です。
今はレクサスもあるし、車離れが取沙汰される昨今、例えとして適切ではないかもしれませんが。(笑)

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稲垣さんは、新人‟修行”時代を高松(香川県)で過ごされ、東京に転勤で戻されて以降は、「この先ずっと東京」と思い込んでいたそうです。
新聞社ってそういう働き方なんですね。

ところが、高松への異動を命じられ、青天の霹靂。
赴任したは良いが、東京で買っていたようなモノは、そもそも売っていない。
物理的、非常にネガティブな理由で、これまでの生活を諦めざるを得なかった。
そこでお金を使わない(お金に頼らない)ライフスタイルを模索していった、というわけ。

そして、東京的な消費に依存した社会に対して、このように述べるのです。

現代人は、ものを手に入れることによって豊かさを手に入れようとしてきました。しかし繰り返しますが、「あったら便利」は、案外すぐ「なければ不便」に転化します。そしていつの間にか「なければやっていけない」ものがどんどん増えていく。
 それは例えて言えば、たくさんのチューブにつながれて生きる重病人のようなものです。チューブにつながれていれば、必要な薬や栄養が着実に与えられて命をつなぐことができます。しかし一方で、ベッドから起きだして自由に動き回ることはできません。
(中略)
 私は生まれて初めて「自由」ということの意味を知ったのかもしれない。それまでずっと「あったらいいな」と思うものを際限なく手に入れることが自由だと思ってきました。しかし、そうじゃなかった。いやむしろまったく逆だった。
 「なくてもやっていける」ことを知ること、そういう自分を作ることが本当の自由だったんじゃないか。


いかがでしょうか?
何が「自由」なのか、分からなくなりませんか。

僕も、このブログで引き続き「自由」な雰囲気をお伝えしていければと思っています。


最後に、仕事について。

 

 仕事とは、突き詰めて言えば、会社に入る事でも、お金をもらうことでもないと思うのです。他人を喜ばせたり、助けたりすること。つまり人のために何かをすること。は遊びとは違います。人に喜んでもらうためには、絶対に真剣にならなきゃいけない。だから仕事は面白いんです。苦労もするし、思う通りにいかなくても逃げ出せない。しかしだからこそ達成感もあるし、仲間もできるし、人間関係も広がっていく。助けた人から今度は助けられる。そのすべては、遊んでいるだけでは手に入らないものばかりです。


実は、近所の温泉通っていたら、「手を貸して」とアルバイトに行くことになりました。今週頭に一回行ってきましたが、何やら激痩せの予感。(笑)
身体の部位により、筋肉痛のタイミングが違うという…。

仕事を通じて、また世界が広がる…この場合は顔が広がる、ですね。

人様のお役に立てて、お金も頂ける。
こんなに有難いことはないし、本来、仕事とはこうあるべきだと思います。
「期限までに回答を入手するため、どうやって相手を追い詰めるか」、ではなくね。


色々書きましたが、この本、掛け値なしに面白いです。
興味を持たれましたら、是非一読下さい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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パンプキンパイを焼く

こんにちは。OGUROBBYです。

引越し以来、配線が面倒で放置していたオーディオセットを、とうとうセットしました。これで、我が家に音楽が戻ってきた。
超久しぶりに、Mr.Childrenの古いアルバムかけてみたりしました。
知ってるはずの曲が、ハミングすら出来なかったり…。
人間の記憶って劣化するんですね。

まあ、今を生きることにします。

DISCOVERY



目次
1.旬のもの
2.パンプキンパイを焼く

1.旬のもの

我が家の家事分担、いわゆる一般家庭とは逆の傾向があります。
台所に立つのは僕の方が多く、工具箱をいじるのは嫁の方が多い…みたいな。

別に嫁が料理苦手、というわけではありません。
(嫁の名誉のため、くれぐれも勘繰るのはご遠慮下さい。)

まあ、料理に関しては、僕側の下手の横好き、ということです。
何しろ、美味しい水と、有機野菜がふんだんに手に入ります。

と言っても、大した料理はやりません。
ただ茄子を焼く、とか
ピーマン焼いて醤油をかける、とか
椎茸をバター醤油で炒める。

周りに農業されている方が多いので、旬のものを旬なときに、結構もらえます。
家にあるものを使うので、いわゆる「ばっかり料理」になります。

茄子が朝、昼、晩続く。
ピーマンが10日間続く、みたいな。
ただ、茄子、ピーマンの時期も終わりに近づいてきた感があります。

で、今は南瓜です。
10月末に向けて、都会はハロウィーンで活気付くのかもしれませんが、
ここでは、「Trick or treat」と唱えなくても、南瓜を頂くことがあるのです。(笑)

今日もお隣さんから、完熟の南瓜を頂きました。
南瓜の煮つけも「芸がないな」と思い、人生初のパイ、パンプキンパイを焼いてみよう!と。



2.パンプキンパイを焼く

やってみたら、これが面白かった。実に。

まず、南瓜を蒸かしてマッシュします。
塩少々。砂糖少々。それとシナモン。
あとは白ごまを擦って混ぜました。
はい、餡完成。

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僕が買ってきたパイシートは2枚入りでした。
さっきの南瓜餡を2枚のパイシートで挟んでオーブンへ。
上下のシートをくっつけるとき、フォークで押さえると焼き上がりがそれっぽくなるそうです。
 

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卵黄を塗ると仕上りが良いそうですが、お隣さんから頂いている有精卵の
「黄身だけを」なんて使い方、勿体ない。もとい、申し訳ない。
なので、卵黄塗りはやってません。

買ってきたパイシートの説明によると、200℃でキツネ色になるまで焼く。

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焼き始めると、それなりに、それっぽくなるもんです。
端っこの部分が!
何か始まりそうです。

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隅っこから、だんだんキツネ色に。
これ、面白い。

40分位焼きましたかね???
ついに!

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何か凄い。

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想像以上に本格的に、焼き上がってしまいました。
ビックリ!


味は、市販されているものに比べて、かなり甘さ控えめ。
南瓜そのものの味を活かした…と言っておきましょうか。(笑)

それでも、パイ焼きを体験をさせてもらっただけでも、二度美味しい。
時間をかけて作るってことが、何より贅沢です。

初めてにしちゃ上出来だと、お隣さんにも半分お裾分けしてきました。

「昼に頂いた南瓜です~」
「こんな風に使ってもらったのが、すごく嬉しいわぁ~」

言ってみりゃ、自分の畑で作った野菜、子供みたいなもんでしょうから。
農家の方も、自分の畑で取れた南瓜のパイなんて、なかなか作らないのかもしれませんね。良いお返しができた、と自画自賛。

ただ、次はパイ生地から自分でやってみるか、とクックパッド見たら、凄くバター使うんですね。
バター100gって、うちにあるバターの2/3じゃないですか!

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なんか最近の断食とか、全て吹っ飛んだ気がする。

宣言通り、今を生きることにしよう。(笑)

松下村塾に行ってきました

こんにちは。OGUROBYです。
一昨日食べた刺身に当たったのか、期せずして昨日は断食を経験してしまいました。
「万作」、一般的には「シイラ」という魚。

最近、食事が菜食中心になっていたので、胃腸がビックリしてしまったのかなぁ?
起きていると脂汗が出てくるので、寝たきりの1日。
しんどくて活字を見ることもできず、本当に眠る事しかできませんでした。
サラリーマン時代に、「飽きるほど寝てみたい」と思ってましたが、期せずして夢叶う。

それにしても、同じものを食べた嫁がピンピンしていたのは驚きです。

さて、今日もちょっと前の体験になります。
萩に行ってきたので、その時のお話。

目次
1.そうだ、萩に行こう
2.松下村塾

1.そうだ、萩に行こう

萩。
これまでの人生で、あんまり馴染みがありませんでした。

強いて言えば、今年5月に下見で利用した 萩・石見空港
「ああ、萩と同じエリアなんだな…」

それと、昔読んだ本で、地産地消の成功例で、萩しーまーと のことを読んだ程度。
あまり予備知識を持たず、行ってまいりました。


「萩に至る日本海側の景色は絶景」、と東京で聞いていたので、海岸線を余すところなく見てみよう、ということで最短距離ルートは取らず。
益田から国道191号線に沿って西に進むことに。

この国道191号。益田方面から進んでいくと、意外と ‟海沿いの景色” というのは、チラリズムなんですね。
「あ、海だ!」と思うと、すぐに内陸に向かい、トンネルなんぞを潜ってしまう。
こちらは本当に平野が少ない。
山が海まで切り立っている…程ではないんですが、海と山が近い。

関東平野にせよ、濃尾平野にせよ、よくもまぁ、あんなに広い平野ができたもんだ。
お米の生産量である石高が国力のバロメータになっていた時代、そりゃあこの辺じゃ
、歴史の檜舞台には立てませんよ…と思いを馳せる。

それでも、日本海のダイナミックな景色というのは堪能できました。

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海辺に建つ家の赤い瓦は、「石州瓦(せきしゅうがわら)」と言って、この地方の特徴的な瓦です。
海外線に沿って鉄道も走っているようで、絶景だろうなぁ。

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そうそう。
191号線に沿って、道の駅が3か所ありました。
いずれも、海の幸が充実してました~。

ちょっと驚いたのがこれ。
アジの煮干しなんて、初めて見ました。
これで400円です。

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生の魚も売ってるのですが、総じて煮干し類の種類が豊富で安いですね。
流通が弱い山陰地方のこと。
「ないものはない」精神で、あるものを如何に流通に乗せるか、考えた末なんですかね。煮干しだったら、日持ちもするし。

ちなみに、アジ煮干。なかなか良いですよ。
出汁取った後、鍋にそのままにしておいても、エグくならない。
「一晩置いた後のカレーは旨い」と言われますが、一晩置いた後の味噌汁。
これが、今の僕のお気に入りです。


2.松下村塾

萩しーまーと にて昼食を取った後、松下村塾に向かいました。
松下村塾松陰神社の敷地内にあります。

最近、世界遺産にも登録されたようですね。
神社の入り口周辺に、大きな箱モノを建設していました。

昨年の大河ドラマ「花燃ゆ」で、吉田松陰の末妹である杉文が大きく取り上げられました。僕も3話位までは見たと記憶しています。
幕末から明治期にかけて、松下村塾の出身者が活躍したのは説明不要でしょう。


そしてこちらがその、松下村塾です。

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狭ッ!!ビビるほど狭い。
わずか8畳の空間。

吉田松陰の掛け軸の手前には長机が。
ここに吉田松陰が座っていたのだろう。

私塾なので、「広くはないだろうな…」とは思ってましたが、想像を絶しました。
頭の中で、この空間に何人入るのか空想してみる。
う~ん、夏場にここに座ってられる自信がない。(笑)

ここがある意味、明治維新の革命の現場だったわけです。
凄いなぁ。。。改めて。
パワースポットとは言わないのかもしれませんけど、パワーを貰いました。

ちなみに、松下村塾に立ててあった説明書きがこちら。

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この場所で、松陰が教育を行ったのはわずか1年。
実家の幽囚時代を入れても2年半だそうです。
一体、どんな教育を行ったんでしょうか。

教育の効果って、箱の大きさではない。
教える側、学ぶ側の情熱なんでしょうね。
勉強になりました。

そうそう、松下村塾の隣には、旧杉家邸宅もあります。
松陰が幽囚されていた部屋も見れますし、昔の人の暮らしぶりも想像できたりして、結構楽しめます。


帰宅後、玄関の軒先にこんなものが!

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ウェルカムフルーツならぬ、ウェルカムベジー。
これも、田舎生活の醍醐味です。

壁塗り体験

こんにちは。OGUROBBYです。

朝から全身筋肉痛です。とりわけ、腿と肩。
マゾっ気全開で申し訳ないのですが、疲労感と言うより心地良い痺れ。(笑)

今日も温泉行ったれ~♪


目次
1.壁塗り体験
2.ハタガサコ x 72recipes


1.壁塗り体験

それは突然やってきました。
僕自身は、DIY道の階段をそろりそろりと上っている段階だったのですが(笑)。
結果的にとても面白い体験をさせてもらいました。

きっかけは、隣町の津和野町に11月にオープンするレストランの プレオープンツアー@吉賀町 に参加したこと。
ウチの嫁にくっついて行ったようなものです。

それでこのレストラン。
都会の感覚でいうレストランとは違うんですね。
田舎にあるものを活用し、町のコミュニティとしての機能を狙ったもの。

都会のレストランが個人経営、もしくはその延長であるのに対し、
こちらは「みんなで作っていくコミュニティ」と言う色合いが強い。
詳細は後述しますが、これまたコンセプトがちょっと面白いんです。

この日は、近隣地域へのコンセプト、およびメニュー試作品のお披露目会、といったところだったのでしょうか。

プロジェクトの立上げを間近で感じたいと思い、中心メンバーの一人である大江さん(空間デザインを担当)に、ボランティアでお手伝いを申し出たというわけです。


前置きが長くなりました。
そんな縁で、お手伝いに行ったのが、とある施設の小部屋のリノベーション現場でした。(このレストランではありません)

で、「ぬりかべ」、もとい、「壁塗り」です。

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今回、僕たちが手伝わせて頂いたのが、珪藻土を壁に塗っていく作業。
傍目から見ると、とても楽しそう。
ほら、この通り。

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で、僕も手伝わせて頂きました。
まさかの、左官デビュー。

最初、なかなか思ったように塗れなかったのですが、見様見真似。
自分なりに、壁材を「置いてくる」イメージで作業に没頭する。

ただ、この没頭も長続きはしない。
結構しんどいんですよ。

まず、腕を上げっ放しの態勢。
しかも右手、ただ挙げているわけではないんです。
手先に微妙なニュアンスを要求されます。(多分)
おまけに、左手も。
僕は洗面器に壁材を入れて持ってたのですが、壁材も長時間持ってると地味に重い。
左手の握力がどんどん無くなっていくのを感じます。

でもって、作業にも、ある程度の迅速さが要求されてくる。
なぜなら、珪藻土に水を混ぜて作った壁材が乾いてくるから。
洗面器の底の方で乾いて小石みたいになった壁材が、塗るときに邪魔になってくる。

しかも、任された面は、必ず自分で仕上げるという鉄の掟。(笑)
一見、誰がやっても同じようですが、出来映えに個性がすごく出るのです。
だから、「やりきる」。

ただ、不思議なもので、腕プルプルを乗り越えると、新たな境地が。フフフ。
何か楽しくなってくるんです。
僕は勝手にケーキ職人のイメージで小手を動かしてました。
スポンジに生クリームをデコレーションするイメージ。
(って、ケーキのデコレーションもやったことないんですけど。)

理想のケーキを追い求めて壁塗りしてたら、こうなりました。
厚っ!

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そして、これが別の方が塗った壁。
薄っ!(でも味がある)

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個性が出ますよね。
理想のケーキ像の違いということでしょうか。(笑)

ちなみに、僕はショートケーキよりチョコレートケーキの方が好きです。

ただ、壁材が足りなくなってしまったのは、僕の厚塗りの影響…。
大江さん、ごめんなさい。

「凄いなぁ」と思ったのは、リカバリーもそこらにある物で、簡単にやってしまうとこ。ここら辺が、過剰な規格に縛られた工業製品との違いでしょうか。
一言でいうと、「自由」。

 
こんな具合に、古材を切って、貼っていく。
何とも言えない味が出ます。

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最後は、なんと床貼まで手伝わせてもらいました。
合板を切って研磨、塗装して、インパクトドライバーで床に固定する。
こんな感じ。

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最後の全体写真を取り忘れたのは、痛恨の手落ち。
僕の体力、限界に近付いてましたから。(苦笑)
ドラクエで言ったら、既に画面がオレンジになってましたもん。。。

体重1日で2キロ落ちましたから。(復元済み)

そりゃ帰って、速攻温泉行きますって。
余談ですが、近所の温泉の1カ月定期買いました。
行って2日目に顔パスになりました。
田舎あるあるですかね。(笑)

話が脱線しました。
とっても楽しい経験させてもらいました。
まさか、こんなに早く壁塗り経験できるとは!

大江さん、ありがとーーーー!!!



2.ハタガサコ x 72recipes

先程、少し触れましたこのプロジェクト。
面白い取組みなので、紹介させて下さい。

「ハタガサコ」と言うのは、津和野町内の地名。(畑迫地区)

一方で、72recipes と言うのは、レシピの数です。
昔の人は、1年間を5日単位で72個の季節に分けていたそうです。

「地元食材を、季節に寄り添った調理法で」といったところでしょうか。

それにしても、72個の季節。
都会での生活からすると、信じられないですよね。

僕もそうでしたけど、都会は1年がすごく早い。
会社員の頃は、期首に年度目標を立て、目標に追われるようにして「あっ」と言う間に1年が過ぎてました。四季の区切りよりも、GW、夏休み、年末年始という束の間の休息が区切りになっていいた気がします。

四季の移ろいを感じることはあっても、味わう…。
多分味わっていらっしゃる方は少数派ではないでしょうか。

大江さんが、こうした食生活に目を向けたのには理由があります。
今年の春先、重度のアトピーで、勤めていたデザインオフィスを退社されたそうです。
アトピーを患う前の食生活は、牛丼とか、ファストフードが多かったようです。

いざ病院に行っても、対処療法で薬を処方されるだけ。
薬を飲んでも、なかなか症状は改善されず。
そこで、自然療法、食事療法に切り替えたところ、1カ月程度で完治したそうです。
食事の力って、大きいんですよね。

壁塗り作業の中、大江さんが賄いとしてカレーを作ってくれました。
勿論、スパイスからです。
これが美味しかった。
玄米を土鍋で炊いて頂きましたが、火加減、水加減も絶妙。
野菜と米だけだけど、とても豊かな気分にさせてもらいました。

結局、豊かな食事とは、品数ではないんですよ。
身体が喜ぶもの。それで充分なんです。
そして、そのレシピは実は昔からある。

このプロジェクトの面白いところは、「食」を中心に据えて、色んな事に地域で取り組もうとしているところ。
「愉しむ」「考える」「学ぶ」「引き継ぐ」「創造する」

土鍋を使った玄米の炊き方ワークショップとかも、是非やって頂きたいですね。
学びたいです。

このプロジェクト、「糧」という名前のレストランを2016年11月に津和野町でオープンします。津和野町にお越しの際は、是非足を運んで下さい。

プロジェクトの紹介ページはこちらです。
クラウドファンディングもやってますので、宜しければ是非!
 

www.makuake.com

カテゴリー分類について考えた

こんにちは。OGUROBBYです。
今年8月にブログを始めて、順調に記事数を重ねてきました。
いつも、読んで頂いてありがとうございます。

ただ最近、自分でも「過去記事探しにくいなぁ…」と思う事が増えました。

「等身大のダウンシフト日記」として始めたこのブログ。
日々起きたことを、淡々と、徒然なるままに綴っていこう…。
そう考え、カテゴリーは敢えて分けていませんでした。
 

ogurobby.hatenablog.com

 

あ、この目的は、今も変わってませんよ。(笑)
ただ、カテゴリー分けを拒んできたのは、

  「整理整頓が苦手な自分を正当化したい」

それだけのような気もしてきました。
そこで、新たに自分の書いた記事をカテゴリー分類することにしました。



ところが、やってみるとなかなか難しかった。
単純に、「衣」「食」「住」くらいで良いだろう…と最初は思ってました。
でも、「衣」なんてテーマ、僕はあまり興味を持ってない。

最近買ったファッションアイテム、「田靴」くらいですから。(笑)

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まあ、田靴の話は別の機会に。
カテゴリー分類の話に戻ります。

過去、どんな記事を書いているか。思い返してみました。
すると、僕が生きていく上で関心が高いもの。
なんとなく見えてきました。

取りあえず、こんな分類でスタート切ります。

「食」
「住」
「縁」→ 人との出会いです。
「旅」
「本」→ 映像も含めます。
「動」→ 行動したこと。


「考える」とか「学ぶ」って言うのも考えたのですが、どんな行動も何らか考えたり、学びはあるよなぁ…。

軌道修正はこれからはあるだろうけど、このブログに対する愛着も出てきました。
大事に育てていきたいなぁ。

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お隣さんの農場見学 <後編>  -菌床椎茸栽培-

こんにちは。OGUROBBYです。

本当に冷え込みがキツくなってきましたね。
半袖で出かけるのが躊躇されるようになってきました。

今回は、前回に引続き、<後編>をお送りします。

目次
1.鶏の平飼い
2.菌床椎茸栽培

 

2.菌床椎茸栽培

さてさて、今日の本題は椎茸栽培でした。

椎茸の栽培方法は、大きく分けて原木栽培と、菌床栽培があります。
原木栽培は、クヌギやコナラの丸太に菌を植えこみます。
菌床栽培は、おが屑を固めたものに菌を植えこみます。

愛知に住んでいる頃、近所の産直市で椎茸に原木、菌床があるのは知ってました。
原木の方が、少し高いんですよ。
そして原木の方が、肉厚でプリプリ。味も良い。
菌床椎茸は火を通すと、存在感が薄くなってしまう印象でした。

で、いよいよ潜入。
これが菌床椎茸栽培の現場です。

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まず、入った感じ。暗い。涼しい。
外から見ると、ハウスが銀色のシートで覆われているのですが、そのシート、遮光性、遮温性を保つものだそうです。
銀色のシートは着脱可能で、冬場は取るそうです。
「30℃を超えてしまうとダメ」、なのだそうです。

そして、適度な湿度。
涼しいから、「蒸し暑い」ではなく、マイナスイオンを勝手に感じてたり。
上の写真の通り、各棚の上に、スプリンクラーが1本ずつ設置。
定期的に散水します。
なので、床は水溜り状態です。

なるほど。長靴というのは、こういう事か。

ちなみに、写真が明るく見えるのはフラッシュが十二分に威力を発揮しているから。
フラッシュ甘めだと、こうです。
スマホのカメラ程度で、フラッシュの効き目をコントロールできない技術のなさ…。)

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各ポッドからの椎茸の生え方は、こんな感じ。

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椎茸は、これから収穫のシーズンを迎えるそう。
今は気温も高く(30℃を超えない程度に)、成長が物凄く早いのです。

この日は、まだ一部のポッドからしか椎茸出てきていませんでした。
それでも特大の物もあり、そういうのは急いで収穫します。
ポッドの養分を全部吸い取っちゃいますから。

エリンギとか、シメジ、他のキノコ類もこんな感じで生えるのかなぁ?
ちょっと見てみたいです。

そう言えば、ここ吉賀町ではキクラゲ作ってる農家さんもいらっしゃいます。
産直市とかで、普通に売ってるのでビックリ。
スーパーでは、中国産しか見たことないですから。

お隣さんも、キクラゲ栽培を頼まれたことがあるそうです。
誰もが知っている大手餃子チェーンが全量買取るとの話もあったそうですが、
キクラゲは夏の間しか収穫できないので断ったそう。
年間の仕事量のバランスがあるんでしょうね。

この日収穫した椎茸は20個ほど。
なんと、全て頂いてしまいました。
大きさも特大。

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早速、晩御飯で頂きました。
笠部分に包丁で網目を入れ、フライパンでそのまま焼きます。
ブラックペッパー、バターと醤油で味付け。

もうプリプリ!今まで食べた原木椎茸より美味しいかも。
2日で完食してしまいました。

こんなに頂いてばかりだと、何で返そうか…と贅沢な悩みです。(笑)

 

お隣さんの農場見学 <前編>  -鶏の平飼い-

こんにちは。OGUROBBYです。

何だか冷え込みがキツくなってきましたね。
しかし、夏が終われば、秋が来る。秋の味覚、カモン!

今日は、ちょっと前の出来事なのですが、これまた面白い経験をさせて頂いたので、そのお話。

目次
1.鶏の平飼い
2.菌床椎茸栽培


1.鶏の平飼い

それはとある晴れた日の朝。
朝食の食器を洗っていると、玄関から呼ばれる声が…。

「新聞なら間に合ってます、というか要りませんけど…」

そう思って玄関に出ると、お隣さんでした。
お隣さんは、広島からIターンで吉賀町に来られ、有機の農家をやっています。
広島時代から、農業はやられていたそうです。

「菌床椎茸見に行く?」

願ってもないお誘い。二つ返事で「行きます」と答え、身支度を。
40年生きてきて、ここのところ「人生初」のオンパレードに、心が奮える。

「長靴持ってたら、長靴が良いよ。」


お隣さんに限らず、ご近所さんたちは、とても親切です。
物を頂いたり、暮らしの知恵を頂いたり。

この日も、椎茸の栽培場への道すがら、山水の汲み場を教えて頂きました。

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「水道水はカルキ臭くて飲めん」

僕らは全く感じない(麻痺してる?)のですが、地元の方々には、そう仰る方々もいるそうで…。
この山水、きちんと水質検査はされているんですよ。
写真には写ってないですが、水質検査結果(どの成分がどの位検出されたか)はきちんと立て札で明示されています。
もっとも、天然水そのものなので、成分は色んな要素で変わるでしょうけど。
だけど、まさに「山の神様がくれた水」。


さらに車で移動すること5分弱。
目的地に到着しました。

ただ、椎茸の前に目に飛び込んできたのは、この子達。

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おお!The平飼い。
実は、僕の夢の中の1つ。

オスが1匹(白いトサカのあるやつ)。メスが7匹(茶色)。
先日頂いた卵は、正にここが産地なのでした。

小屋は完全にお隣さんの自作。総工費10万円いかない程度、と。
本で「イタチは穴を掘って、鶏小屋に侵入する」と読んだことがあるが、そこは抜かりなく、地下にも鉄の網が埋めてあるそうです。

小屋の外にも、高さ1m弱のフェンスが建っています。餌場は小屋の中。
鶏は餌を食べたくなったり、卵を産みたくなったら小屋に入ります。

 -数分経過-

やはり健全な鶏は、見ていて癒される。邪気がない。
その場で、鶏の生態について教えて頂く。

鶏は家族意識が強く、入れ替え時は一度に入れ替えないと、喧嘩してしまうそうである。「卵を産まなくなった鶏は、苛められる」って話も聞いたことあるなぁ。

雌鶏が一生懸命、何かをついばんでいる傍らで、雄鶏は真ん中で ‟でーん” と構えているようにも見えるが、実は周囲に注意を向けている。
これも家族の一つの形。

ちなみに、鶏が一生懸命ついばもうとしているのは、虫だそう。
虫を探して、穴掘るのが好きらしい。

それにしても、元気だ。
見ていると、鶏も飛ぶんですよ。バサバサバサ―って。
高さはないけど、水平に3mくらい。
これには驚き。

「餌代が高いんだよ…」とお隣さん。
ちゃんと素性のはっきりした飼料は高いんです。

安く卵を産ませようとしたら、遮光した工場みたいなところで、遺伝子組換え穀物ベースの餌を与え、卵の収量を増やすために、灯りを使って24時間で2回朝晩のサイクルを作ったりしますからね。

前にこのブログで紹介した映画「Food Inc.」の中には、もはや自分の足で立てない位太らされた雌鶏が、満員電車のように工場の飼育スペースに詰め込まれている画が登場します。こういう鶏に生まれなくてよかった。

 

ogurobby.hatenablog.com
あと、卵は食べさせる餌の色が卵黄の色になるんです。
米を食べさせれば、卵黄は白っぽくなります。

北海道でお会いした有機農家さんは、南瓜を2つ切りにして、そのまま鶏舎に放り込んでました。南瓜食べてれば、黄色くなりますもんね。
北海道では、農家さん用のカタログも見せてもらいました。餌に混ぜて、卵黄を好きな色にコントロールする薬品の。
カタログの品番見て、「卵も工業製品だな」と思ったっけ。

と言いながら、ラーメン食べるときは煮卵トッピングは欠かせないんですけど(笑)。

お隣さんは、自ら有精卵が食べたくて、鶏を飼い始めたそうです。
こういう卵を、応援していかなくては。

今日は余談だらけですが、
僕が鶏を飼うには経済的、時間(準備)的なハードルもあるのですが、卵を産まなくなった鶏をどう処分するか、も大きなハードルです。

お隣さんの場合は、「欲しい」と言う人に生きたままあげる。
もしくは、山に放すのだそうです。
山に放せば、生態系の食物連鎖の中で、一晩と生き延びられない。

冬場に鳥インフルのニュースが流れると、殺処分され埋められる鶏の映像が流れることがあります。
あの鶏って、完全にモノとして見ちゃってますよね。
僕自身、恥ずかしい話ですが、都会にいるときは「100グラム**円」という目で見てしまってました。鶏さん、ゴメンナサイ。

「命を頂く」という痛みを、垣間見させて頂きました。


       <後編につづく>