ダウンシフトを生きる

「ダウンシフト」、一緒にはじめませんか?

我が家の正月

明けましておめでとうございます。
OGUROBBYです。

十二支でいうところの、今年は亥年
「猪」というと、今までは12分の1の動物に過ぎなかったのですが、コチラに来てどうもニュートラルでいられなくなりました。

畑や田んぼに入らないでくれたら、また違うんですけどね~。

目次
1.我が家の正月

1.我が家の正月

新年一発目のブログなので、
ちょっと襟元を正して、今年の抱負など…。

とは行きません。(苦笑)


吉賀町に来て3回目の正月。
正月といっても、何も特別なことはしませんでした。

お節料理もなし。
お年玉もなし。
年賀状も(当方から事前に出させて頂くのは)なし。

ご飯の支度は、基本的に日に3度。
家の前の畑で野菜を収穫し、料理。
小松菜、大根、時々 人参。
玉葱、ニンニクは備蓄があるし、食材には困りません。

生活リズムが変わらないので、当然正月なまりとも無縁。
まあ、雪と寒さとで、「正月なまり」の前に、「冬なまり」の懸念もあったりするのですが。(苦笑)


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一年の「区切り」という意味では、昨年一年間のお金の使い方について、夫婦で確認しました。

驚いたのは、医療費の激減ぶり。
お医者さんにかかった費用です。(薬代も含めて)

夫婦二人で年間10万円以上の支払いが常だったのですが、何と昨年は10分の1に!
僕に限定して言えば、なんとたったの1,060円でした。
医者に行ったことさえ、思い出せません。
なんで行ったんだろうなぁ???(笑)

もっとも、昨年は夏にギックリ腰をやってしまいました。
行きたくても、近くに医者がなかった…というのもあったりはします。

ただ、東京で生活していた最後の方なんて、週末ごとにあちこちの医者に掛かってましたからね~。
今週は内科と眼科。
来週は耳鼻科、、、みたいな。

こちらに来て、謎の咳もピタリと止まりました。
田舎暮らし万歳!ですね。



最後に、昨年読んだ本にあった詩を紹介します。アメリカのボブ・ムーアヘッド牧師という方の言葉です。


オマケと言うには長いのですが。。。(苦笑)


 

この時代に生きる 私たちの矛盾

ビルは高くなったが 人の気は短くなり
高速道路は広くなったが 視野は狭くなり
お金を使ってはいるが 得るものは少なく
たくさんものを買っているが 楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが 家庭は小さくなり
より便利になったが 時間は前よりもない
たくさんの学位を持っても センスはなく
知識は増えたが 決断することは少ない
専門家は大勢いるが 問題は増えている
薬も増えたが 健康状態は悪くなっている

飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 笑うことは少なく
猛スピードで運転し すぐ怒り
夜更かしをしすぎて 起きた時は疲れすぎている
読むことは稀で テレビは長く見るが 祈ることはとても稀である
持ち物は増えているが 自分の価値は下がっている
喋りすぎるが 愛することは稀であるどころか憎むことが多すぎる

生計の立て方は学んだが 人生を学んではいない
長生きするようになったが 長らく今を生きていない
月まで行き来できるのに 近所同士の争いは絶えない
世界は支配したが 内世界はどうなのか
前より大きい規模のことはなしえたが より良いことはなしえていない

空気を浄化し 魂を汚し
原子核を分裂させられるが 偏見は取り去ることができない
急ぐことは学んだが 待つことは覚えず
計画は増えたが 成し遂げられていない
たくさん書いているが 学びはせず
情報を手に入れ 多くのコンピューターを用意しているのに
コミュニケーションはどんどん減っている
ファースト・フードで消化は遅く
身体は大きいが 人格は小さく
利益に没頭し 人間関係は軽薄になっている
世界平和の時代と言われるのに 家族の争いは絶えず
レジャーは増えても 楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても 栄養は少ない
夫婦で稼いでも 離婚も増え
家は良くなったが 家庭は壊れている

忘れないで欲しい 愛するものと過ごす時間を
それは永遠には続かないのだ
忘れないで欲しい すぐそばにいる人を抱きしめることを
あなたが与えることが出来るこの唯一の宝物には 1円もかからない
忘れないで欲しい あなたのパートナーや愛するものに「愛している」
と言うことを 心をこめて

あなたの心からのキスと抱擁は傷をいやしてくれるだろう
忘れないで欲しい もう逢えないかもしれない人の手を握り
その時間を慈しむことを
愛し 話し あなたの心の中にあるかけがえのない思いを分かち合おう
人生はどれだけ呼吸をし続けるかで決まるのではない
どれだけ心のふるえる瞬間があるかだ


引用元:「伝え方が9割」佐々木圭一

 


本年も、宜しくお願いします。


冬の大根祭り

こんにちは。OGUROBBYです。

ふと窓の外を見ると、しんしんと雪が降り続いています。
昨日から断続的な降雪。
今年は暖冬っぽいので何となく忘れてましたが、雪にまつわる色んなことを思い出しました。

「雪」というと、思い出す曲があります。
ユニコーンの「雪が降る町」。
高校生の頃、カラオケ行くと絶対歌ってたなぁ。

いつの間にか、脳内変換されて「雪の降る町」になってたけど、「雪降る町」が正解のようでした。人間の記憶の曖昧であることよ。(笑)

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目次
1.冬の大根祭り

1.冬の大根祭り

我ながら、安易だなぁ。。。
某製パンメーカーの「秋のパン祭り」を意識したのか、していないんだか。(笑)

何はともあれ、畑をやるとはこういうことなのか。
自家消費では追いつかないほど、育ってくれてるのです。大根が。

毎日、畑から引っこ抜いてきて、使っている感じ。
一日一本。
贅沢ですよ、そりゃ。
豊かな気分になります。

今年は、嫁の実家(鹿児島)から頂いた桜島大根の種もまきました。
虫食い被害をかいくぐって育ってくれたのが2株。
こんなに大きく育ちました。

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気候の適した鹿児島の方では、もっと大きく育つそうなのですが。
なんというか、巨大すぎます。(笑)

普通の大根の4-5本分はあろうかという大きさ。
「寒さにそこまで強くないだろう」ということで、雪が降る前に引っこ抜きました。
大根って、結構抜くの簡単なんですよ。
全然力いらなくて、拍子抜けするくらい。


で、これだけ大きな大根を、どう使うか。
頭を悩ませています。
まあ、一気に消費するのは無理ですね~。

煮物は王道だとして。
おでんも良い。

以前、ブログの中で大根サラダなんてのも紹介しました。

最近覚えて、結構ハマっているのが大根餅。
大根の消費が進みます。

作り方は超簡単。
ご紹介しましょう。


①大根を擦りおろす。


②汁を軽く絞って、片栗粉を投入。良く混ぜる。

片栗粉の分量は、ウチは体積で大根の1/3位を目安にしてます。
白い大根に、白い片栗粉を入れていくので、混ぜてしまうとどんだけ混ぜたか分からなくなります。

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写真は色付けとして、人参を少量刻んで入れてます。


③フライパンで焼く。

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写真は焼き過ぎです。(苦笑)
色付けで人参入れた意味がない。

焼いていると、香ばしい匂いがしてくるので、引っ繰り返して下さい。
こんがりキツネ色くらいが美味しそうです。

ウチはポン酢をかけて食べてますが、元が大根おろしなので、超サッパリ。
いくら食べても胃もたれしません。

片栗粉の分量が多いと、なんかモサッとした感じになります。
分量に関しては、どこがベストかよく解らないとこもあるのですが、プルッとした食感が残ると、「今日はウマくいった!」と思います。


ちなみに、桜島大根。
蕪みたいに千枚漬けにもチャレンジしたのですが、やっぱ食感は大根ですね。

来年は、蕪もやろう!



僕らの町に 今年も雪が降る
いつもと同じ 白い雪さ つもるつもる
あと何日かで 今年も終わるけど
世の中は 色々あるから
どうか元気で お気をつけて

 引用元:ユニコーン 「雪が降る町」

 

 

 

本日ハ晴天ナリ。

こんにちは。OGUROBBYです。

山陰の冬は、かくも曇り空ばっかりだったかしらん。
そんな風に思う、今日この頃です。

ただ天気に関係なく、我が家のニャンズはよく遊び、よく食べ、よく眠る。
今もぐっすり眠っているのですが、その寝姿は三者三様。

一匹目。だるまさんは転ばない。

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二匹目。我が家の甘えん坊将軍。

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そして、三匹目。我が家の地下アイドル。

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ちなみに、二匹目が寝ているのは、ブログ書いてる僕の膝の上。
このブログが書き上がるのが先か、僕の腰が痛くなるのが先か。(苦笑)



目次
1.本日ハ晴天ナリ。


1.本日ハ晴天ナリ。

ここのところ、本当に晴れない。
晴れ間はあるんですけど、短すぎる!

天気は基本「曇り」。
でも一日のうちに、雨が降ったり、晴れ間が覗いたり。
「よし晴れた!」と思うと、次の瞬間雨が降ってくる。
山の天気は変わりやすいとは言いますが…。

こちらに来て、3回目の冬になるのですが、「こんな感じだったかなぁ???」と首を傾げてしまいます。

そんな中、本日は久々の晴天。
メインでやりたいのは、電気柵の片付け。
雪が積もっちゃうと、電気柵の機械の方が壊れちゃうリスクがあるのです。
年末は雪が降るなんて言われてますし、1月になれば積雪シーズンですから。

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獣がいなくなったわけでもないんですけどね~。
先週、夜クルマ運転した際に、目の前を2匹の猪に横切られてるし。(苦笑)


ただ、晴れと分かっちゃうと、色々やりたくなるんですよね~。
まずは、仕込んでいる落ち葉堆肥のチェック。

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ブルーシートの中に水が溜まって、氷が張ってました。
箱の中には、何度か落ち葉を「これでもかっ!」という位追加しているのですが、雨の度に水が溜まってしまいます。
嫌気性の堆肥なので、空気が遮断出来て丁度いいかな、とプラス思考。


そして、今年何度目かの落ち葉拾い。
道端にはまだこんなに落ちてますね。

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今回は、庭の畑に産めてしまおうという算段。
量はそんなに要りません。
とは言え、集め始めると熱が入ってしまうのも、人間の性。


落ち葉を持ち帰り、窓ガラス越しに猫の見守りを受けつつ、せっせと穴を掘ります。
スコップで。
寒いはずなんだけど、この作業、結構汗ばむ。
そして、それが心地良かったりします。
時折、隣近所の方々と「久々に晴れましたね~」なんて言葉を交わしながら。

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穴を掘ったら、こんな感じで落ち葉をガサーッと。

ここは家庭菜園スペースなのですが、実は、昨冬も似たようなことやりました。
そしたら、春先、そこでジャガイモの出来が良かった。
しかも、大量に土中に埋蔵した落ち葉は消えていた。
これって分解されて肥料になったのかな~???

その場所には、今は玉葱を植えています。
なので、今回は玉葱を植えていない残りのスペース。

穴を掘って、落ち葉を入れて、米ぬかをまぶしたら、穴を埋める。
終わったら、隣接するスペースを掘る。入れる。埋める。

この繰り返しです。


そして、午後は電気柵の片付け。
何が大変って、電気柵のワイヤーをリールに巻いていく作業。
ワイヤーがよじれると、なんとも巻きにくい。
そして、どうやったってリールに収まりきらない!(泣)

そりゃ、メーカーの製品出荷時は、機械でびっしり巻くんでしょうよ。
手作業のしんどいとこだなぁ。

とは言え、電気柵を片付けつつ、秋の間作物を守ってくれたことに感謝。
設置も片付けも、面倒だけどね。

次の出番も、宜しく頼むゼ!

ぬか漬けライフ

こんにちは。OGUROBBYです。

先日、3匹目の猫「ゆら」の話をココであげたのですが、ちょっと早かったかな~。
一気に打ち解けるかと思いきや、なかなか馴染みません。(苦笑)

ウチの押し入れに籠った状態は変わらないのですが、唯一進歩と言えば、押し入れの入口付近に押し出してポジショニングあうるようになったこと。
名付けて、「一人魚鱗の陣」。 (一匹ですかね、猫だから。)

以前は、押し入れの一番奥に潜んでましたから、「一人鶴翼の陣」。
可愛いのは、順番に先住の2匹の猫に餌を上げ始めると、押し入れから降りてきて、「私はここよ~。忘れないでね~!!」とばかりに数歩だけこちらに寄って来るのです。

なかなか触らせてくれないのですが、気長に待つことにします。

目次
1.ぬか漬けって知ってます?
2.ぬか漬けライフ


1.ぬか漬けって知ってます?

突然ですが、
「ぬか漬けってご存知ですか?」

日本人なら、言葉は知っているでしょう。
じゃあ、聞き方変えます。
「ぬか漬けって食べたことありますか?」
もしくは、「ぬか漬けの味って、パッと想像できますか?」

「ハイ」と自信もって即答できる方は、少ないんじゃないでしょうか。

僕は、食べたことなかったんですよねー。多分。
ひょっとすると、居酒屋で誰かが終盤注文して、気付かずに一口くらいは食べたことあったかもしれません。数ある漬物の1つとして。

興味を持ったのは、1年ちょっと前に読んだ一冊の本からでした。
たまにこのブログにもご登場いただく、稲垣えみ子さん。

「もうレシピ本はいらない」

もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓



面白いです。
元朝日新聞記者とは思えない、重厚感のない文体。(笑)
読みやすいです。

この方が、ぬか漬けを絶賛してまして。
そこで興味を持った。
とは言え、どこから始めよう。

今は便利な世の中です。
大抵のものは、売ってます。

ジャーーーーン!!!

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こんなものを購入。ぬか漬けセットです。
イデア商品だな~、と思いました。
これなら冷蔵庫での保管も簡単。
野菜を買ってきて漬け込めば、あとは待つだけ。

味は、、、

もう忘れました。
何しろ1年以上前の話。
そこから話を前に進めて、今このブログを書いているということは、不味くはなかったのでしょう。(笑)

ただ、問題はすぐに起きました。
2~3回漬けたら、もうぬか床が水っぽくなっちゃって。
ぬか床を維持するためには、「足しぬか」といって、生のぬかを足してやる必要があります。

ただ、「ぬか」って難しいんです。
ネットで調べたところ、精米機で精米して3日後から酸化が始まるのだとか。
お店で買って来たとしても、適量を…とはいきません。
余らせても保存ができない。

それに、お店で売っている米ぬか自体、どんな素性のものか解らない。

そこで精米機を買いました。
精米機の話は、前に書きましたのでコチラをご参照下さい。

今でも快適に使ってます。
猫のマークをかいくぐって、、、
なので、ちょっとハードル上がっちゃうんですが。(笑)
 

ogurobby.hatenablog.com

 

2.ぬか漬けライフ

というわけで、精米機が我が家に来たと同時に始まりました。
我が家のぬか漬けライフ。

何と言うか、一言ではとても言い表せません。
材料によって、味が変わるんです。
ぬか床の材料なんて、「ぬか」、「塩」、「昆布」、「唐辛子」程度の物。

ただ、一晩(冬は2-3日)漬けただけで、生野菜とも違う、かといって上の材料のどれともない風味が加わるのです。
眠っていた野菜の旨味を引き出す。。。そうとしか説明がつかない。
1年近くやって、一番衝撃的だったのはオクラかな~。
何と言うか、スモーキー。(う~ん、解りづらい)

ちょっとプロの言葉を借りましょう。


 で、ぬか床ライフ。
冒頭にも書きましたが、これはやっぱり魔法です。何よりもまず、味が「絶妙」なのです。

 どう絶妙かというと、主に二つの絶妙がある。
一つは、出来上がりがどんな味になるか、全然想像がつかないということ。
ぬか漬けの味とは、単に塩味がつくとかそういう単純なもんじゃありません。塩気もあれば、酸味もある。そしてあの「ぬかくささ」が、絶妙なスパイスとなって、「くさい」から、複雑な「おいしさ」へと転化する。
 それが、素材そのものの持ち味と相まって、実際に食べてみると「ヌオッ!?」という驚きへ、そして「う、うまい…」という実感へと変わる。
 これが、天才ぬか床シェフの技であり、まさに人知を超えた味と言わざるをえません。

   引用元:稲垣えみ子 『もうレシピ本はいらない』

言葉にすると、そういうことになるのですが、本当、足し算では想像がつかない味なのです。


で、実践です。

僕は、こちらの本を参考にしました。

はじめる、続ける。 ぬか漬けの基本



いかにも、インスタ映えを狙ったような写真じゃないですか。(笑)

この本によると、ぬか床の材料は以下の通り。
特別なものは何も要らないのです。

<3L容器分>
 生ぬか  1KG
 水    800ml~1L(ぬかの状態や湿度によって調整)
 塩    110g
 昆布   5cm長さ x 2枚
 唐辛子  2本(種を取ってちぎっておく)


ホーローの容器なんか使えば格好いいんですけど、僕はプラスチックのタッパー使ってます。野菜が入る大きさなら、何でも良いのです。

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ぬか床のつくり方は、、、
割愛します。

要は混ぜるだけ。
工夫があるとしたら、塩が溶けやすいよう、水はぬるめの湯ざましを使うくらいですかね。

詳しくはネットで検索してみて下さい。

野菜はなんだかんだ言って水分が多いので、ぬか床はすぐに水っぽくなってしまいます。夏野菜なんかは特に!

でも、精米機が家庭にあれば問題なし。
お米だったら、無農薬のものが比較的簡単に手に入りますし。

今の季節は、大根なんかいいですよ~。
ウチは皮ごと漬けてます。
もちろん、無農薬、無化学肥料。

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最後に、1つの文章を紹介します。
前出の、稲垣さんの本から。


 料理なんて簡単だ。そしてそこには無限の自由がある。
 コンビニで買う自由?いやいや、自由ってそんなもんじゃないんだよ。そこで売られているものは「多くの人が一般的に好きそうなもの(つまりは売れそうなもの)」である。それを日々食べ続けることに慣れてしまうと、あなたは自分で自分の好きなものがわからなくなってくる。つまりは「一般的に誰もが好きそうなもの」を自分も好きになるしかない。好きになれない場合は、それに慣れるしかない。
 それは地獄ではないかもしれないが、ある種の牢獄だ。自分で自分を牢屋に入れてはならない。
 あなたは自分で好きなものを自分で作って食べることが出来る。それは決して特別な技術や能力が必要なことなんかじゃない。誰に頼らなくてもいい。誰に文句を言う必要もない。食べる事は人生の土台だ。ここがしっかりしていたら、どんな辛いことがあっても、誰かに裏切られても、一人ぼっちになっても、だいたいは大丈夫なのである。
 息苦しい世の中で、少なからぬ人が「こんなはずじゃなかった」と人を呪いながら生きている。でも料理ができるあなたは、そんな世界とは無縁である。どんな状況にあっても自分の足ですっくと立って、背筋を伸ばして歩いて行くことができる。そんなことができたなら、何を恐れることがあるだろう。
 これを自由というんじゃないだろうか。

  引用元:稲垣えみ子 『もうレシピ本はいらない』


寒くなって来ると、ぬか床内の乳酸菌の活動も低下するので、大根で言えば3日位仕込まなくちゃいけなくなります。
それはそれで、「お、今日はぬか漬けが出来てるじゃないか!」と嬉しくなったりするもの。

ぬか漬けライフ。
お奨めです。


 


三匹目。

こんにちは。OGUROBBYです。

先日、当地方(島根県吉賀町)にも初雪が降りました。
積もるというほどではなく、「今年も来たな~」程度の話です。
今年は暖冬と言われているようですが、さすがに雪の前後は冷え込み、凛とした寒さが。足も手も、指先がチリチリするような冷たさです。

気付けば12月。
今年ももう、終わろうとしています。
早いもんだな~。


目次
1.登場人物(猫物?)
2.三匹目。


1.登場人物(猫物?)

「ダウンシフトを生きる」。
このブログを初めて、約2年半。
記事数にして約150。

「田舎暮らし」だったり、「農」だったり、色んなテーマで書いているのですが、「猫」も一つのテーマにしても良いのでは???といった感も持っていたりします。
個人的に。

このブログ上では、2匹目の猫まで紹介しているのですが、実は夏の終わり頃からもう一匹増えています。

元々、捨てられた野良猫。
ある日突然、ウチの縁の下に住みつきました。

それが、この子。
名前は「ゆら」。(多分♀)

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「多分」としたのは、まだ1度も抱っこさせてもらえてないから。
過去に人間と何かあったのか、警戒心が滅茶苦茶強い。
引っ掛れたことは、何度もあるんですけどね。(苦笑)
なかなか尻尾を上げないから、そこにツイているかが確認できないのです。


猫というのは、柄で結構性格が解るらしく、ネットで調べると色んな情報が溢れてます。例えば、三毛猫はこんな感じ。


<三毛猫の性格>
・きまぐれ
・プライドが高い
・自立心が強い
・母性本能が強い
・好き嫌いがはっきりしている
・賢い
・やや攻撃的
・甘えるときはしっかり甘えてくる

  引用元:ねこちゃんホンポ

   ※以下、断りない限り引用元は同サイト

まあ、これだけ色々書いてあれば、どれかは当てはまる…という気もしないではないですが。(笑)


同様に、先住猫たちもご紹介しましょう。


①みお(♀)

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ウチに来た、最初の猫です。
お隣の益田市の保健所から、貰ってきました。
生まれた時期が正確にわからないのですが、現在1歳半くらい。
ビックリするくらい小さな子猫だったのですが、すくすく大きくなりました。


<キジ白の性格>

・非常に賢く強い
・野性的な部分が強く残っている
・活発に動くことが好き
・慎重で用心深い
・心を許すと甘えん坊になる

まあね。
警戒心が強いのは合ってるかな。
特に食べ物には、超保守的。
刺身とかも食べません。ホントに野良出身???と思っちゃいます。
その割には、たまに自分で降りられないような高いところに登っちゃって、、、
その度に、僕がレスキュー隊として出動します。
警戒心強いんだかなんだか。
でも、「必要とされてる」と一番感じる瞬間だったりもします。(苦笑)

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こんな風に運動(?)もします。
網戸でストレッチ。
僕の網戸交換技術の向上を図ろうとしているのかもしれませんが、その網戸、既製品じゃないんだよね~。できれば止めてね~。(泣)

時々、このストレッチを僕の足にズボン越しにやってくるのですが、爪が刺さって痛いこと痛いこと。生傷絶えません。
でも、喜んでいるM体質の僕。(苦笑)



②与作(♂)

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コイツが2匹目。
町内で生まれた子猫をもらってきました。
1歳ちょっと。


<茶シロの性格>
・活発で天真爛漫
・人懐っこく、甘えん坊


これは合ってます!
とにかく甘えん坊。つけ加えるなら、食いしん坊。

野良経験がないことも大きいんですかね。
人間に対する「不信感」というものを知らない気がします。

椅子に座ってTV見たり、本読んでたりすると、自らよじ登ってきて肩口のところに抱きついてます。場合によっては、ナウシカみたいな感じ。
あ、「風の谷のナウシカ」のね。
説明入れておかないといけない世代に、なってきたんだろうな~。

冷蔵庫開ければ、ピョーンと飛び込んできたりも。
油断していると、米びつに顔突っ込んで、生米食べてたりする、胃袋宇宙系の恐ろしいオトコです。(笑)





2.三匹目。

「みお」と「与作」の2匹の世界に、新たに飛び込んできた「ゆら」ですが、、、
正直言うと、最初は相性最悪でした。

最初は、ウチの半室内みたいなところに隔離して、トイレもご飯も別々にしてたんです。窓ガラス1枚隔てて、2匹の猫とご対面。
そんなの1か月位続けました。

人間だけが、屋外から回り込んでご飯やら、トイレの清掃やら。
その間も「ゆら」の警戒心は如何なく発揮され、人間には全く懐かず。
人間が部屋を出ていくと、ご飯を食べに物陰から出てくる。

2匹の猫は、ガラス越しには「ゆら」に興味を持つ風でもなく。
ただ、ガラス戸を開けると、2匹が飛び込んで行って威嚇。
そんな感じだったかな~。


とは言え、吉賀町の季節は確実に進みます。
秋になると、昼間暖かくても、朝晩の冷え込みはキツくなる。

でもって、家に入れました。
正確に言うと、2匹の猫を隔離して、窓ガラス開放しておいたら入って来てくれた、ですかね。


そこからが、「ゆら」の日陰の人生(猫生?)の始まり。
物陰から出てこれなくなっちゃったんです。
2匹の先住猫とも、時間と共に慣れてくるだろう…とタカを括ってたところもありました。

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こんな感じ。
そして、ほぼ声を出さない。
まるで「天の岩戸」。。。
と言うよりは、ただの「引きこもり」です。

ご飯の時は、猫を1匹ずつ隔離して、それぞれ個室で召し上がって頂きます。
というか、餌で誘導して、それぞれ部屋と檻に隔離する。
こうしないと、先に食べ終わった猫が、奪いに行っちゃうんですよね。

「ゆら」は食べ終わったら、すぐに押し入れの奥に引っ込んでしまう。

個室から解放された2匹が、まずやるのは「ゆら」参り。
押し入れの前で座り込み、シュプレヒコール、というより威嚇。
いやいや、参っちゃうのは「ゆら」の方なんですが。

食事よりも、さらに困ったのはトイレです。
「ゆら」の寝床の前に、「ゆら」専用のトイレを設置したのですが、「ゆら」が押し入れから出てくるのを許さない。
「ゆら」がトイレに降りてきた瞬間、2匹が追い返しにいくので、排泄も自由にできない。

「ゆら」のトイレタイムを作るため、2匹を隔離する時間が増えました。
多頭飼いの鉄則として、「先住猫に不快な思いをさせない」というのがあります。

そこからいくと、2匹にもストレスを与えてしまい、「ゆら」への攻撃をエスカレートさせているのではないか、と悩んだりもしました。
負のループですよね。

おまけに、こちらもずっと家の中で猫を見守れるわけでもないですし。

三毛猫の性格が、「好き嫌いがハッキリ」だとすると、永遠に3匹が馴染むことはないのでは???なんて疑心暗鬼になったりもしました。
そんな状態を2か月強。。。



ところが、数日前から少し転機が訪れました。
なんと「ゆら」が「みお」に対してコミュニケーションを取ろうとし始めたのです!

「ゆら」の鳴き声も、初めて聞いたような。(ちょっとオーバーかな)
結構大きな声を出しながら、「みお」に近付いて、鼻先でキスみたいな。

上島竜平のような名人芸!(笑)

時々、「みお」に追い返されるのですが、「ゆら」も止めません。
恐々ですが、「みお」の後を追おうとします。

この時、与作は檻の中。
檻の中から、2匹の様子をジーッと見てます。

そうこうしている内に、「みお」にも少し変化が。
「ゆら」から少し離れたところで、「こっち来いよ」とばかりに「ゆら」を待っている様子。

「ゆら」は「みお」の後を追って、我が家のトイレ、洗面所、、、、と色んなところを冒険。ちょっと感動モンでした。

大河ドラマも大詰めですが、TVつけてても「それどころじゃない!」みたいな。(笑)


「ゆら」の変化の背景は解りません。
でも、状況を変えるために、自分を変えたんだなぁ…というのは、見てて感動。

2匹の猫も、今までに比べると、少しは「ゆら」を受け容れてくれたのかな。
「みお」は、「ゆら」を押し入れに押し込めることを止めました。


「え!?なんでそこでネコパンチ???」

ということも時々ありますが、
猫は気まぐれな生き物ですから。


え?人間ですか?
悲しいことに、全く馴染んでくれません。

避妊手術に連れていくのも、大分先ですね。

『日本が売られる』(後編)

こんにちは。OGUROBBYです。

ふぅ~。
(前編)、長くてスミマセン。
僕のブログ史上、最長になってしまいました。

(後編)、サラッといきたいと思いますので、宜しくお願いします。

 

目次
1.水が売られる
2.『日本が売られる』って、他に何が売られるの?


2.『日本が売られる』って、他に何が売られるの?

繰り返しにはなってしまいますが、、、

今回、前後編に分けて堤未果さんの『日本が売られる』を紹介させて頂いているわけですが、この本読んで頂いた方が、僕のブログ読むより余程伝わると思います。
(自己否定?<笑>)

僕がいくら長文書こうと、オリジナルには敵わないのです。
ただこの本は、「今こそ読むべきだ」「知っておくべきだ」と思ったので、それなりの熱量で書いてます。以前、堤さんが仰っていたのですが、何か突然世の中を賑わす大ニュースが報じられている時こそ、裏で大事なことが決まっていることが多い、と。

中身には触れませんが、この本の目次です。



堤未果 『日本が売られる』/目次

第1章 日本人の資産が売られる
1.水が売られる
2.土が売られる
3.タネが売られる
4.ミツバチの命が売られる
5.食の選択肢が売られる
6.牛乳が売られる
7.農地が売られる
8.森が売られる
9.海が売られる
10.築地が売られる

第2章 日本人の未来が売られる
1.労働者が売られる
2.日本人の仕事が売られる
3.ブラック企業対策が売られる
4.ギャンブルが売られる
5.学校が売られる
6.医療が売られる
7.老後が売られる
8.個人情報が売られる

第3章 売られたものは取り返せ
1.お笑い芸人の草の根政治革命 ~イタリア
2.92歳の首相が消費税廃止 ~マレーシア
3.有機農業大国となり、ハゲタカたちから国を守る ~ロシア
4.巨大水企業のふるさとで水道公営化を叫ぶ ~フランス
5.考える消費者と協同組合の最強タッグ ~スイス
6.もう止められない!子供を農薬から守る母親たち ~アメリ

 
ちなみに、「牛乳が売られる」っていうのは、僕は全くの寝耳に水でした。
そもそも、牛乳嫌いだし。
乳製品は嫌いじゃないですが。(笑)


ザックリ言うと、(あ、中身触れちゃった。<笑>)
TPP11とかで、海外からチーズなんかの関税が撤廃されるじゃないですか。

「欧州の本格的なチーズが、気軽に食べれる!」

なんてテレビでもコメントしている方をお見受けしましたが。
実はコレ、結構大きなインパクトあるんです。
国産の牛乳が、スーパーから消えてしまうかもしれない。

ラクリはこうです。
乳牛からの搾乳量は、年間通じて山谷があります。
夏は少なく、冬多い。
牛も、夏は食が細るんでしょうか。

とにかく、海外からの安い輸入チーズなかりせば、
冬にだぶついた国産生乳は、チーズ等の乳製品に加工する。
すると、この生乳としての消費期限は、生き長らえることができます。

ところが、輸入チーズが買われて国産チーズが売れない。
すると、冬場にだぶついた生乳の行き場がなくなる。
結果、牛を維持することすら危なくなってしまう。

日本の牛も、餌は遺伝子組み換え飼料ですが、海外の乳牛なんかはそれだけじゃなく、成長ホルモンもバンバン投入されてますからね。
いつの間にか選択肢が奪われてしまうのは怖いです。

そしてもっと怖いのは、上記の話題は単一の話に留まらないこと。
例えば、土の話のはずが、土だけで終わらない。
水にも関連してくる。
(前編)で登場したような会社名が、色んな場面で出てきたりします。

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そもそも産業と言うのは、人間をハッピーにするもの。
産業革命は言うに及ばず。
クルマも、家電も、人間の可能性を拡げ、生活を楽にしてきた。

でも、最近は世の中が複雑になり過ぎているように感じます。
分業化も進みました。
複雑すぎてよく分からない。全体が見えない。
人々は、いつのまにか選択肢を奪われ、得をするのは一部の人。

一生懸命働いて、
健康に気遣って野菜中心の食生活を送り、、、
でもその野菜が、実は…なんて話。


ちょっと読んでみて下さい。
怖いけど。(笑)


『日本が売られる』(前編)

こんにちは。OGUROBBYです。

早いもので、今年も残すところあと1か月。
冬将軍も本腰を上げるのか。
今週末は今季初の氷点下を記録しそうです。

水道管の凍結やら、お風呂の窓を開けっぱなしにしない等、冬なら当然気にかけておかないといけないことを、もう一度思い返しておかないと。

ちなみに、今回の本編。
大長編すぎるので、、、
久々の前後編に分けさせて頂きました。


目次
1.水が売られる
2.『日本が売られる』って、他に何が売られるの?

1.水が売られる

「いきなり何のこっちゃ!?」
そんな声も聞こえてきそうですが。。。

今回は、久々に本の紹介です。
その名も、堤未果さんの『日本が売られる』。
現在、あちこちの本屋さんで平積みで売られ、ベストセラーになっているみたいですね。

そういう情報は入って来るのですが、いかんせん、そういう本屋がないので、確かめようもないという。(笑)

でも、この手の本が売れるというのは、大変喜ばしいことだと思います。
まだ読んでない方は、是非とも手に取ってみて下さい。
現在、日本は大変なことになっているということを教えてくれる一冊です。
スポンサーによって成り立っているマスコミが、決して報道しない(出来ない)事実。

この本読んで頂けるなら、僕のブログなんて読む必要ないです。<キッパリ!>


今回は、「水」の話に絞って紹介していきます。
何気にこの話、TVでも急に騒ぎ出した気がします。
遅いっつーの。論点ズレてる気もするし。


日本が売られる (幻冬舎新書)



まず、現在の日本では、水はタダみたいなもの。
駅や公園といった公共施設の水道は開放されていますよね。
飲料水こそ購入するという方も増えましたが。

僕の住んでいる島根県吉賀町では、水はもっと生活にありふれたもの。
水道の他に山水が流れ込む池があり。
家を出て30mも先を見下ろすと、そこに川がある。(多分、飲める)
だって、ウチの川上には片手で足りるくらいの人しか住んでないから。(笑)
真冬になれば、凍結防止の目的で水道は敢えて完全に閉めないで寝る。

「水道水が飲める」
これは決して当たり前のことではない。

国土交通省によれば、そんな国、アジアでは日本とアラブ首長国だけなんだそうです。

グローバル食品メーカー最大手のネスレ社が行った調査によると、「2025年までに地球の3分の1の人々が新鮮な水にアクセスできなくなり、2050年までには、地球は壊滅的な水不足に陥る」という。

   引用元:堤未果『日本が売られる』
     ※以下、断りない限りは引用元は同著とする。

 
日本人だけが、その価値を認識できていない。
そんな話は、珍しいものではありません。
それこそ鮪や鰻といった水産資源。(鮪や鰻は元々高級だが…)
近頃では、鰯や秋刀魚ですら争奪戦が繰り広げられているのを思い起こせば、イメージつきやすいですかね?


1995年8月。当時世界銀行副総裁だったイスマイル・セラゲルディン氏はこう言った。
「20世紀は石油を奪い合う戦争だった。21世紀は水をめぐる戦争になるだろう」
そして、その言葉は現実になる。


そして、日本の水は外資に狙われている。

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それでは、水道が民営化されるとどんなことが起きるのか。


<民間企業のノウハウを活かし、効率の良い運営と安価な水道料金を!>
耳に心地よいスローガンと共に導入された水道民営化は、どんな現実をもたらしたのか。
公営から企業運営になった途端、水は「値札のついた商品」になる。
「採算度外視でも国民に安全な水を供給する」ことを目的とする公営水道と違い、運営権を手に入れた民間企業がまず最初にやることは、料金の改定だ。


世界の事例で見ると、民営化後の水道料金は、ボリビアが2年で35%、南アフリカが4年で140%、オーストラリアが4年で200%、フランスは24年で265%、イギリスは25年で300%上昇しているのだそうだ。

300%上昇ということは、「4倍」ということ。
どうでしょう?ピンときますか?

さらに見ていきましょう。
水道が民営化されたときに、起こりうること。

フィリピンでは水企業群(仏スエズ社、米ベクテル社、英ユナイテッド・ユーティリティ―ズ社、三菱商事)によって、水道代が払えない人に市民が水をわけることも禁じられたそうです。
突然、日本企業の名前が出てきたので、ビックリしました。

さらにボリビアの例が続きます。


 採算の取れない貧困地区の水道管工事は一切行われず、月収の4分の1にもなる水道料金を払えない住民が井戸を掘ると、「水源が同じだから勝手にとるな」と、ベクテル社が井戸使用料を請求してくる。
 困った住民が水を求めて公園に行くと、先回りしたベクテル社水飲み場の蛇口を使用禁止にし、最終手段で彼らがバケツに雨水を溜めると、今度は一杯毎に数セント(数円)徴収するという徹底ぶりだった。
 株式会社の最大の役目は、株主に投資した分の見返りを手渡すことだ。
 与えられた使命を全力でこなすベクテル社に対する、株主たちの信頼は厚い。
 追い詰められた汚れた川の水を飲んだ住民が、感染症でバタバタ死亡する間も、運営権を持つベクテル社の役員や株主への報酬は、止まることなく確実に支払われていた。


「水道が公営でない」ということの意味が、イメージできてきたのではないでしょうか?え!?それはボリビアの話であって、日本とは無関係!?

そうかもしれません。

でも、問題なのは民営化によって、完全に水の主導権を奪われてしまうということ。
水道って、一社独占じゃないですか。
携帯電話の通信料みたいな、競争原理が働かないんですよ。
選択肢がないんです。

冒頭、ネスレ社の調査のように、2050年までに地球規模で壊滅的な水不足に陥ったとしたら…。
想像するだに恐ろしいですね。

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ちなみに、チョイチョイ挟み込まれてくる写真は、本編とは関係ありません。
気分転換、必要ですよね!?(笑)


水道民営化の手口も、本の中で紹介されています。
至れり尽くせりですね。


 世界中のどこでやっても、じゃぶじゃぶ儲かる水道ビジネスは、「開発経済学」の概念を全く新しいものに上書きしてゆく。
 開発とは、もはや「そこに住む人々の生活向上と地域発展のため」ではなく、「貴重な資源に市場価値をつけ、それをいかに効率よく使うか」という投資家優先の考え方になっていった。

 (中略)

 多国間開発銀行は財源不足の水道を抱える国に対し、まず公共水道事業の一部を民間企業に委託させ、それから水道の所有権や運営権を企業に売却できるよう法改正させる。
 その際、国民が疑問を持たないよう、「民営化こそが解決策だ」という全国キャンペーンを展開させることも忘れない。
 彼らは水道だけでなく、「医療」「農業」「教育」の民営化を世界各地に広げるべく、尽力し続けている。


「民営化こそが解決策だ」
どこかで聞いたことあるような。。。
国民や住民を思考停止にいざなう、魔法の言葉です。


ここで、話を少し戻しましょう。
先程、諸外国の例で民営化後の水道料金を紹介しました。
早いところでは、25年前に民営化されているところもある。
現在、水道民営化に関する世界の潮流はどうなっているのか。


 世界の水道民営化に関する調査機関PSIRU(公共サービス国際研究所)のデータによると、2000年から2015年の間に、世界37か国235の都市が、一度民営化した水道事業を、再び公営に戻している。
 主な理由は、①水道料金高騰、②財政の透明性欠如、③公営が民間企業を監督する難しさ、④劣悪な運営、⑤過度な人員削減によるサービス低下、などだ。
 民営化推進派はこんな風に言う。
 「やってみなければ、わからないじゃないか。うまくいかなければ、また国営に戻せばいい」
 だが一旦、民間に渡したものを取り返すのは、そう簡単ではない。
 契約打ち切りで予定していた利益が得られなくなる企業側も、黙っていないからだ。

 

 母集団がいくつかは解りませんが、既に公営化に戻した都市だけで235。
これだけで潮流と言ってしまうのは、少々乱暴かもしれませんが、民営化に懲りて、既に戻した都市だけでこれだけあるのです。戻そうとしている都市を入れたら、どこまで増えるんでしょうか。

さらに、実際に公営化に戻した都市では、企業に売った水道事業の株式を全部買い戻すためにかかった莫大な費用が、全て税金として市民の肩にのしかかります。

アメリカのインディアナ州が仏ヴェオリア社に支払った違約金が約29億円。
ボリビアコチャバンバ市が米ベクテル社に支払った金額が約25億円。
他にも、国内18の水道事業を民営化し、その後水質トラブルを経て半数を国営に戻したアルゼンチン政府は、再国営化の際に、契約していた9企業のうち6社から提訴されることに。6社のうち米資本のアジュリ1社だけで約165億円の賠償金を支払うことになったそうです。

どうでしょう。
水道民営化、必要と思いますか?

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さて、ここからが日本の話。
目下、水道民営化への道を驀進中なのです。


 本来国民の命に関わる水道は、憲法第25条の適用で国が責任を取る分野だが、残念ながら我が国の政府にその気はなかった。
 代わりに打ち出されたのは、世銀や多国間開発銀行、投資家たちが推進する手法、日本の水道を企業に売り渡す「民営化」だ。
 実は日本の水道は、全国に「民営化」「規制緩和」というキーワードを流行らせた」小泉政権下で、当時経済産業大臣だった竹中平蔵氏の主導により、すでに業務の大半を民間に委託できるよう、法律が変えられている。
 だが外国人投資家たちには、大きな不満があった。
 台風や豪雨や地震など、しょっちゅう自然災害が起きる日本では、その度に全国で老朽化した水道管が壊れ、莫大な復旧費用がかかるのだ。


つまり、外国人投資家たちにとっての下地は整えられつつある。
ただし、彼らにとっての障壁は、天災などにより水道がダメージを受けた場合、復旧にかかるコストです。このリスクは、なかなか値踏みが難しい。

ところが、日本政府はきっちり彼らの障壁を取り除いていく動きを取っていきます。
う~ん、幾らメイド・イン・ジャパン を外国に売るのが仕事だと言っても、水や水道は違うでしょ。




 2018年5月、企業に公共水道の運営権を持たせるPFI法を促進する法律が可決する。
 まずは自治体が水道民営化しやすいよう、企業に運営権を売った自治体は、地方債の元本一括繰り上げ返済の際に、利息を最大で全額が免除されるようにした。

 (中略)

 「水道料金」は、厚労省の許可がなくても、届けさえ出せば企業が変更できるようにした。日本の水道が電気と同じ「原価総括方式」であることは、あまり知られていない。

 (中略)

 何よりも素晴らしいのは、災害時に水道管が壊れた場合の修復も、国民への水の安定供給も、どちらも運営する企業でなく、自治体が責任を負うことになったことだ。
 日本の法律では、電気やガスは「電気事業法」「ガス事業法」という法律のおかげで、民間であってもガスや電気の安定供給の責任は、しっかり事業者に課せられている。
 だが水道だけは「水道事業法」が存在しないのだ。それをいいことに今回の法改正では、その責任は事業者から自治体につけ替えられた。


これ、今年5月の話ですよ。
知らないうちに、こんなに色々変わっていたとは。。。

本書に書いてあるのですが、背景を補足しましょう。
実は2012年、当時の大阪市長だった橋本徹氏が「水道民営化」構想をぶち上げました。
ところが、当時は大阪の水道事業は103億円の利益を上げる黒字。
橋本氏前任の平松元市長が「生命の源、水を営利企業にゆだねてええの?」と市民にパブリックコメントの提出をよびかけ、市議会でも否決されたそうです。

そういった動きを受けて、自治体の鼻先にニンジンをぶらさげたんですね。
自治体にとっての、民営化のニンジンです。
一方で、企業側へのアピールも忘れてません。

実際、この法案可決から1か月後の2018年6月、大阪市は2018年6月1日から市内全域の水道メーター検針・計量審査と水道料金徴収業務を、仏ヴェオリア社の日本法人に委託。宮城県も2020年から、県内の上下水道運営権を民間企業に渡す方針なのだそうです。
浜松市は、2017年に、国内で初めて下水道の長期運営権を仏ヴェオリア社に売却。(20年契約)
そして、熊本県合志市、栃木県小山市も、この動きに続いているそうです。


そうこうしている内に、国会では更に話が進んでいます。



 水道を所有したまま、運営権だけ企業に売る自治体が増え始めたら、いよいよ次のステップだ。
 複数の自治体の水道を一つにまとめ、水ビジネスを大規模化する。さらに水道料金に関する部分を、「公正妥当な料金」から「健全な経営のための公正な料金」と書き換えて、企業の利益を保障するための値段設定ができるようにした。これで自治体のつけた料金の上限を超えた値上げをしても、企業側は「健全な経営のため」だと言って、正当化できるようなる。
 2018年7月5日。水道民営化を含む「水道法改正案」は、委員会で9時間、本会議ではわずか2日の審議を経て、衆議院本会議で可決された。

 

 

ただ、こんな大事な話を、僕も含めてほとんどの国民は気が付いていない。
それは何故か。

本来なら、新聞の一面にデカデカと載るべきニュース。
ニュース番組なら、番組の冒頭で報じられるべきニュース。

それは、もっと別のニュースが、世の中を賑わしていたから。


日本中のマスコミは足並みを揃えたように、オウム真理教麻原彰晃と幹部7人死刑執行の話題を一斉に流し、日本人のライフラインである水道が
売られることへの危険について、取り上げられることはなかった。


そして、この「水道法改正案」は、昨日2018年12月5日に参議院でも可決。
本日6日に成立予定なのです。

ここ数日、TVなんかでこのニュース見かけるようにはなったけど、遅いよ!!
もう大勢決まったところで報じられてもね。


とんでもなく長くなっちゃいましたが、ここまで読んで頂いてありがとうございます。
続きは後編で!